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エタック島
2024年10月21日 (月) 20:16
土曜、朝起きて新幹線に乗る。新神戸駅までは20分くらい。東京に行くときはだいたい飛行機に乗ってしまうので、新幹線は久しぶりです。思ったよりかなり混んでいて座れず。とりあえず新大阪まで行って、ホームで始発を待つか~と思っていたけど、新大阪で結構降りたので助かった。隣の席の女性がだいぶアクロバティックな寝相で(椅子で寝るのにあんなにアクロバティックな寝相、あり得るんやな)むしろ気をつかわなくて済んだ気がする。私もサンドイッチを食べたり、本を読んだり、少し寝たり、自由に過ごした。新横浜で降りる。おしりいたい。
電車を乗り換えて、大和駅へ。毎月駅前で開催されているという、古民具骨董市に行った。私は全般的に古いものが好きなので、骨董市や蚤の市がかなり好きだ。最近はアンティークやヴィンテージのお店を集めて公園で開催するおしゃれな蚤の市もあって、あれも楽しいが、こういう「別におしゃれとかじゃない蚤の市で、何か良いものがないか熱心に探す」みたいなのも楽しい。パリでクリニャンクールに行ったときも楽しかったな。灰皿とか、古い切手とか、カーテンタッセルとかを買った。
蚤の市では、何に使うか分からないもの(電車のロックをするやつ、牛乳瓶の箱、金物の板を曲げるための機械、とか)の話をお店の人に聞けるのも良い。骨董屋のおじさんてみんな話が上手でおもしろいのに、こっちから話しかけるまでは別にほっといてくれる人が多いように思う。性別や年齢に関係なく、聞いてもないのに知識をひけらかしてくる人って、それがどんなにおもしろい話であっても、あんまり好感を持てないよな。き、気をつけよっと…………
彫り模様がかわいいグレーの平皿(たぶん美濃焼)と、喫茶店に置いてあるみたいなデザインのテーブルフォークを買った。
おなかが空きすぎて、近くにあったコメダ珈琲に入る。「このあと横浜に移動して何か食べたいし、軽めにしよ」と思い、きしめんを頼んだら1.8人前みたいな量のどんぶり鉢が来て笑った。そっか、コメダ珈琲てこういう量の店やったよね、忘れてた、ごめんごめん。コーヒーだけとかにすればよかった。
満腹で横浜へ移動。母と私の好物であるラムボールを買いに、喜久家さんへ。喫茶室でサバランを食べようと思ったのに、喫茶室は閉業中らしい。悲しい。なんで。サバランは今買っても今日は移動が多くてケーキの箱を持ち歩くには大荷物だし、食べる場所もないので断念。泣きながらラムボールとクッキーも購入。クッキーもおいしいんですよ。ちなみに喜久家さんは「サバリン」と表記なさっている様子。
喜久家さん、クッキーのパッケージとかやらせてくれんかな……そういう需要はないのかしら。いや、あるはず。方針が分からないけど、でもこんなにおいしくて歴史あるものを、もったいなくないか。余計なお世話かな。ホームページもやらせてほしいな、だめかな。
もうちょっとおなかが空いていれば、ホテルニューグランドでプリンアラモードでも食べたかったけど、ぜんぜん空いていない。なんでコメダ珈琲に入ったんや。やめとけばよかった。コメダ珈琲は神戸にもあるのに。おなかぺっこぺこのままホテルニューグランドに行けばよかった。深く反省。
近沢レースにも行った。ハンカチを買おうかな、と思ったけどなんとなくエレガントすぎるか?と思って、結局やめにした。レースものってかわいいけど、あまりにもキャラに合ってないような気がする。私みたいなもんが、あのような繊細で女性らしいハンカチを持っていいのか……???母にお土産で買ってもよかったか。
イニシャルのレースチャームがあったので、これを3つ買った。アルファベットごとにデザインが違っててかわいい。ひとつはお姉ちゃんにあげる。
仲町台に移動して、ハヤシ監督と合流。ハヤシさんは私を見つけるなりめちゃくちゃ高速で頷いていたのでおもしろかった。「俺場所わかんないよ」と言うので「私わかるから大丈夫、地図描いたから」と言うと「地図描いただけでわかるものなの?初めて来たのに?そういうもん?」と訝しい顔をしていた。地図を描くときってGoogleマップをベースに敷いて、ストリートビューで一旦歩いてみるから道はもちろんのこと、結構周辺のお店とか覚えると思うけど、私だけなんだろうか。地図をどうやって描くかという話、そういえば人としたことないな。教わってもないし。グラフィックデザイナー諸君、どうですか。
松島直子さんの個展を見にEuphonicaさんへ。会場の写真はたくさん見たけど、やっぱり手で描いたものを生で見るのは全然違う。体験としても違うし、もちろん情報量も違う。来てよかったな…………マツコさんがすみずみまで一生懸命準備したことが伝わってくるし、それを体感したい人が足を運んでくれたんだろうと思うと、目がジワジワした。最近ますます涙腺がゆるまってて、すぐ泣く。私たちは全員インターネットで知り合ったし、今更インターネットが繋いでくれる人間関係を軽視する気持ちなど一切ないのだけど、これを「オンライン展示」とか言ってウェブサイトを作ることと、同じには出来ないよな、と思った。
とはいえ私も仕事はオンラインで完結していくものが多く、今回も仲町台まで来なければデータのやり取りとLINEで全部終わったんだよ。不思議ですね。でも行けるところには自分の足で出向いて、会える人には会えるときに会わないとな、と思いました。
固定ちゃんも合流して、みんなでごはんを食べた。久しぶりに会えてすごくうれしい。私は固定のことを勝手に妹みたいに思っていて、怖がられても不思議じゃないくらいの「庇護欲全開モード」で接してしまう。なんかかわいくて、部活の後輩みたいなんだよな~
おいしいものをおなかいっぱい食べ(鰆おいしかった、デザートまでたっぷり食べた)、名残り惜しいけど帰ることにした。みんなが駅のホームまで送ってくれて、うれしいしありがたいけど恥ずかしい。
駅前で飲んでいるという姉に連絡すると「え、まだ全然飲んでる」というので、先に家に上がっていることにした。初めて行く姉の家に、ひとりで地図を見ながら歩いていくの、ちょっとおもしろい。
姉はたいへん物持ちが良く、私みたいに家に置くものへのこだわりが強くないので、家の中にあるものは姉の前の家や、前の前の家や、前の前の前の家で見たものばかりだ。場所と箱だけ変わり、姉とその持ち物が移動している。引っ越しってまさにこういうことだよな、と思いながら、勝手に風呂へ。家主が不在の状態で勝手に引き出しを開けてバスタオルを探し、先に風呂に入るって、実家や姉の家以外だと考えられないよな~ウケる。ボトルが無地で不透明なのでシャンプーがどれか分からず、少量だけを出し、においをかいだり泡立てたりして探った。何の時間や。
すっかり寝支度を終え、お布団に横になったころに姉が帰宅。帰宅早々「お風呂入ったん?バスタオルどうした?」とのこと。「見つけた」と答えた。
最近買ったというプロジェクターで壁にYoutubeを映してもらい、推しを堪能して就寝。いいないいな、私もプロジェクターほしいな。でも壁がないの。家が窓だらけなの。
日曜、ふたりで六本木へ。姉には事前に「さくらももこ展か、ルイーズ・ブルジョワ展に行きたい」と伝えてあったが、姉はそもそも美術展に行く趣味がない。姉にとってもせっかくの休日なのだし、無理に誘うのも気が引ける。姉が行かないなら私がひとりで行ってもいい、と思っていたが、予想に反して「ルイーズ・ブルジョワさん知らんけど、調べてみたらおもしろそうやわ、さくらももこ展でも良いね、当日決めよう」との返信。私の姉は、ルイーズ・ブルジョワを「おもしろそう」と思う人だったのか。知らんかった。でもなんか、超良いな。お姉ちゃん最高。
六本木ヒルズに着くと、噂どおり「さくらももこ展」はかなり混雑している感じだったので、「ルイーズ・ブルジョワ展」にした。私も姉と同じくルイーズ・ブルジョワさんのことは詳しく知らなかったが、とても興味深い人物であり、とても興味深い作品群だった。人間性がそのまま作品に出ている。いや、そうでない作品など、この世にひとつもないのかも。
「この世に生まれることは、母の胎内から追い出されることだ」というような言葉を読み、自分には無い感覚に触れることの幸福で満たされる。私はこんなふうに「私が考えていることや私が知っていること、私が感じられることが、この世のすべてでは全然ない」ということを、思い知らされるのが好きだ。私の考えだと、母の胎内を出なければ、母に会うことは出来なかったので、「この世に生まれることは、母に出会うことだ」が近い。生まれてきてよかった、とはまだ言い切れないが(人生はまだ長いようなので)、でも母に会えてよかった。
姉は予想に反して、キャプションをひとつひとつきちんと読み、音声ガイドを聞きながら細部を見て、とても熱心に鑑賞する人だった。私の記憶する限り、姉とふたりで展覧会に来たことなど一度もない。しかも、今回の展示は彫刻や立体の作品が多く、(私も知らなかったけど)ルイーズ・ブルジョワはフェミニズムのアーティストでもあるし、抽象的な作品や、性的なモチーフもたくさんあるのだ。初手で嫌悪感を抱く人だって多そうだと思う。
さらに、個人的な意見だけど、絵画に比べると彫刻や立体作品は鑑賞が難しいように思う。単純に見るポイントが増えるし、見ようと思って前向きに、能動的に見なければ、良さを享受できないような気がする。
自分が誘ったくせに、姉が全然楽しめないんじゃないか、と思って不安だったのだけど、要らぬ心配だったな。お姉ちゃん最高。
午後は新大久保に行って、サムギョプサルを食べ、ワッペンワークをやって買い物をし、夕方に別れた。楽しかったな。
帰りも新幹線は混んでいる。いつのまにかNetflixに「ハートストッパー」のシーズン3が来ているのでありがたく視聴。
崎陽軒のシウマイ弁当を買ってきたので、家に着いてから食べた。崎陽軒のシウマイ弁当はとても上手なバランスのお弁当で、いつも感動する。栄養バランスとかじゃないよ、味付けのバランスな。お弁当って基本的には出来立てを食べるものじゃないし、味って温度が下がるとボケるし、かといってそのことに気を取られすぎると単調なおかずラインナップになるし、結構難しいよな。お肉料理って特に「冷めてもおいしい」が難しい料理だと思う。
崎陽軒はシウマイももちろんおいしいが、シウマイ弁当で最もうまくできているのはごはんな気がする。あれなんであんなもっちり仕上がるの?もしかして炊いてないんじゃないの?蒸してる?
どんなに今をときめく新作弁当が登場しても、シウマイ弁当の良さは消えないと思う。名品だよ………(まぐろの焼いたのを食べながら、塩味が染みわたる表情、ここでごはんをひとくち)
みんなが「あれは要らん」と言う杏も、私は好きです。
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