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グリム童話と鋏の国

2016年11月21日 (月) 22:46

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小学校3年か4年の時、校外学習か遠足かで美術館に行った話ですけど、
あれがアンリ・マティス展だったと気が付いたのはわりと大人になってからのことだ。

絵や彫像などを鑑賞し、模写しましょう。
感じたことを文章にしましょう。

『フォルム』っていうタイトルの、青とグレーと白の絵がかっこいいと思ったので
それを模写したら、誰か忘れたけど、別に仲良くも悪くもないようなクラスの誰かに
「そんな簡単なやつ選ぶなんて」「手抜き」と言われた。
自分で言うのもおかしいけど、根が真面目な子どもだったので、
言われるままに素直に傷ついて、でも「簡単だから選んだわけじゃない」と、
はっきり言い返せなかったと思う。

そういえば夏休みの自由制作で、
絵本を描いたときも、フェルトで家族5人の人形を作ったときも、
「家族の人に手伝ってもらうのはずるい」とみんなの前で言われて、
何にも言い返せなかったな。
家族の人に手伝ってもらう、がどこまでの範囲かわからなかった、
絵本を描く紙を「画用紙じゃなくてちょっといいやつにしたほうがいい」って一緒に選んでくれたのはお父さんだったし、
人形を「ダンボールでソファも作って座らせたら」ってアドバイスしてくれたのはお母さんだったし、
これを手伝ってもらってない、と言い切っていいものかどうか分からなくて、
もよもよしていたら「手伝ってもらったことを認めた人」みたいになってつらかった。

こういう、今となってはどうでもいいようなことを無駄に覚えている。
楽しいとかうれしいとかの記憶より、
かなしいとかつらいとかの記憶のほうが鮮明なのは私だけかしら。

マティスは油絵も彫刻も版画もやっているバイタリティーおじさん(※イメージ)だったけど、
晩年は身体が思うように動かなくなってしまって、
それでも切り絵をやって、数多くの作品を残したフランスの画家だ。
油画も切り絵もバキバキの極彩色でおしゃれだし、線も自由でいいなぁと思う。
MoMAに行ったとき『ダンス』を見たけど、でっかくてかっこよかった。
かっこいい、すきだ、と思うものは、実はかなり幼いときに、
それこそ小学3~4年のころに定まっていて、
大人になってもあんまり変わらないのだろうか。
そうかもしれない。

『フォルム』をGoogle検索したら、覚えてるのと全く同じのが出てきて、なんとなくうれしい。
この背景の色が、グレーともベージュとも言える色で、色鉛筆で模写するのは結構難しかったなぁ。
そう言えばよかった、サボったんじゃなくてこれが気に入ったから模写したって、
簡単に見えるかもしれんけど、この背景色は結構深みがあるよって、
ちゃんと言い返せばよかったな。
言えば何か変わったのかな。そうかもしれない。

子どもだったので「頭が平たい人の絵」だと思ってたけど、
今見ると「女性の曲線美の絵」に見えるぞ。
なんだ「頭が平たい人の絵」って。なんだそれ。

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