
blog
不都合回避型有神論者
2025年2月6日 (木) 21:04
私はチョコレートを買うために有給休暇を取るような女だ。買ったチョコレートは基本的には配ったりもせず、1ヶ月以上かけてちまちま食べる。母に会う予定があれば少しお裾分けする程度。私が食うために私が買う私のチョコレートなので……(真顔)
一度だけ、好きな男にチョコレートを買ったことがある。焼き鳥屋で渡したら、すぐに箱を開けて、ひと粒食べていた。あれかわいかったな。まだ焼き鳥を食べている最中か、注文した焼き鳥が提供される前か、ぐらいの謎のタイミングだったので、冷静に考えるとおかしい。「開けてもいいですか?」くらいまでは理解できるけど、あのタイミングでひと粒食べるのはおかしい。
私も私で、渡すタイミングがおかしい。焼き鳥屋でチョコレート渡すなよ。
百貨店の10時開店にちょうど間に合うように出かける。有休を取ったのに「出社っぽいな」と思う。
これは悪口などではなくただ純粋な疑問だが、こんなに数多くのショコラティエが集まっている催事場で、クラブハリエとオードリーに並ぶのはどういう理由なんだろう。どっちもお店があるやん。つまりその、いつでも買えるやん。この時期限定のものがあるの??オードリーは本当に、シャレにならんぐらい並んでいます。まぁ関西にオードリーの店舗ないけど……でもオンラインショップがあるやん。いつでも、買えるやん。
甘いものを見続けた結果、小腹が空いた。チョコレートは買っただけでまだひとつも食べていないのに、しょっぱいものが欲しくなって阪神のスナックパークでいか焼きを食べた。いか焼きっておいしい。たこ焼きより好きかも。お好み焼きより軽いぐらいのサイズ感もちょうど良いと思う。
昔、阪神電車のホームにいか焼きのカウンターがあって、ライブの帰りにつねちゃんとよく食べた。待てよ、この店があの店?そうかも。
美術館に行くつもりだったけど寒すぎて元気がなくなり、サクッと帰ることにした。映画を観てもいいけど、それなら地元で観たらいいし。
三宮に着いたら雪が降っていた。めったに雪が降らない(積もらないだけでなく、ほとんど降らない)街なので、浮かれたおじさんたちが雪の写真を撮っていてかわいい。大慌てで折り畳み傘を出すお姉さんもかわいい。案の定、5分もたたずに雪はやんだ。
本を持ってきたのでにしむら珈琲で読んでから帰ることにした。ホットケーキを注文する。にしむら珈琲のホットケーキはなんとなく和菓子を思わせる甘さで、1枚でもじゅうぶんお腹いっぱいになるサイズのものがどどんと2枚のっている。焼き目のサクサクした感じが、瓦せんべいに似ている。
別皿でバニラアイスクリームもついている。アイスが付いていることは書いていないので、毎回「いいの?アイス、くれるの?」と思う。なぜメニューに「バニラアイス付」と書かないんだろう。アピールポイントだと思ってないってこと……?個人的には溶けたアイスクリームのベタッとしたのが好きじゃないので、ホットケーキの上にのせずに別皿でくれるのが、かなりポイント高い。のせたい人は自分でのせられるし、別で食べても良い。私はホットケーキにメープルシロップをかけて、それが染み込むのを待つあいだにアイスを先に食べてしまう派。
横の席に座ったおばあちゃんたちが店員さんを呼び止めて「ちょっとお腹空いてるんよ、何食べたらええやろか、なんか分けて食べよか」「何食べたらって聞かれてもなぁ、困るやんなぁお兄ちゃん」と言っている。”お兄ちゃん”はさして困った様子もなく、「サンドイッチは分けて食べやすいんじゃないですか、僕はこれが好きです、おいしいですよ」と答えていた。こういうの、健やか、と思う。だってこんなのは店員さんの育成マニュアルに絶対載っていないから。彼が「これが好き、おいしいよ」と答えたのは、店員さんとしてのキャラクターではなく、彼そのものなのだ。社会に出るとみんな役割があり、キャラクターがあり、それに沿った行動や言動を求められることが大半だけど、それはそれで、あのお兄さんにはあのお兄さんの好みがあり、人生がある。そういう当たり前のことが、無いものみたいに扱われずにそこにあると、健やかだな、と思う。
左隣の席の男の子たちは韓国語で会話をしている。旅行中なんだろうか。お若いし、留学生かも。リアルの韓国語に触れる貴重な機会なので、めちゃくちゃ聞き耳を立ててしまう。ごめん。かろうじて単語や短いフレーズは聞き取れるが、文章はやっぱりほとんど理解できない。引き続き頑張って勉強します。
男の子たちはケーキをふたつ分け合って食べ、時々「おいしい」「これなんや、ようわからんけどおいしい」「とにかくおいしい」「やめろ全部食うな、ひと口だけ残してくれ」とボソボソした声で言い合っていた。仲良しでかわいい。
韓国語で「とにかく」は「암튼(あむとぅん)」と言う。響きがかわいくて好き。
夜、シルクスクリーンで使う版下を作りながら令和ロマンのラジオを聴いていたら、いつ配信された回か分からないけど、嵐の話が出ていた。リスナーのお便りを受けての、「SMAPは会見とかあったし結構衝撃だったから、もう再結成とかないんだろうな~と思うけどさ、嵐はなんか、なんでだっけ、嵐なんでやめたんだっけ」「やめたんじゃないんじゃない?解散とかじゃないってことじゃないの?」みたいな話だった。
その話を聞きながら、今テレビが本当に楽しくない感じになって、殺伐として、ぜんぜん朗らかさとか、救いがない感じがするのって、嵐の不在が大きいよな、と思った。別に嵐がいれば解決する!みたいな暢気な話じゃなくて、ただ、今テレビつけて嵐がいて、5人で楽しそうにしゃべってたら、ほっとするだろうな、みたいなことだ。何も解決しなくて、事態が好転したりしなくて、現実には何も動かなくても、嵐が5人で笑ったり歌ったり踊ったりしてたら、ひと息つけるんじゃないか。
櫻井翔くんが、嵐が(たしか)15周年のときのインタビューで「パフォーマンスが、とか、ハーモニーが、とかじゃなくてさ、ただ仲良いのが好きですって言われるのが、なんか違う気がした、仲良いのが売りですって、なんだよと思って」みたいな話をしていたのを思い出す。翔くんはその話をしながら眉間に思いっきり皺が寄っていて、当時は私も「まぁそうだよな、こんだけ長く続けて、ずっとステージに立って、毎年アルバム出してツアーやって、まず“仲良い”を褒められて、それを求められるって、そら納得いかんよな、ごめんよ」と思ったのだった。
でも今となっては、あなたたちが“仲良い”ことが、どれだけすごいことだったかを、言葉にできる気がする。それこそパフォーマンスが優れていたり、ハーモニーが美しかったりすることと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に、あなたたちが“仲良い”ことは素晴らしく、美しく、かけがえのないことなんじゃないのかな。あなたたちが“仲良い”ことに価値があり、みんな救われてたんじゃないのか。
ま、それを生身の人間にやらせて、しかも子どもにやらせて、何十年もやらせるの、どうなんや、とも思う。人を救うのは人であってほしい、とも思うけど、でもそれって相互関係でないと厳しいかもしれん。
かわいい版下が描けてすごく嬉しい。かわいいし、かっこいいと思う。思い切りが良いのが描けた。うまく刷ってみせます。
category
- 「でっかいの」完成までの道 (10)
- 15分で書くやつ (4)
- DIY (2)
- uncategorized (940)
- いま考えていること (10)
- お芝居のはなし (4)
- かばんのなかみ (7)
- きのうみた夢の話 (17)
- シルクスクリーン (3)
- フジロックフェスティバル (10)
- 宣伝 (4)
- 旅行 (10)
- 映画のはなし (40)
- 絵の展示 (5)
- 音楽のはなし (34)
archive
latest posts
- 2025/03/10 THE ORIGIN OF LOVE
- 2025/03/08 不味不味
- 2025/02/26 傍に立つ
- 2025/02/25 futura
- 2025/02/12 nothing is real
- 2025/02/06 不都合回避型有神論者
- 2025/02/04 memo devil
- 2025/01/31 커피베이
コメントを残す