タナカノゾミのポートフォリオサイト

blog

takahashi

2024年7月31日 (水) 21:14

uncategorized

長年一緒に働いてきた後輩が退職してしまったこともあり、仕事がわりと忙しい。フジロックに行くために毎日残業し、なんかバタバタしていたら7月が終わってしまった。早かったね。ひとまず胃の痛い仕事がひと段落して良かった。完全に終わったわけではないものの、一旦カタついた。よくこんなのをひとりでやってるよな、誰にも教わらず、誰にも助けられずに、と思う。誰も褒めてくれないので仕方ないから自分で褒める。はーーーえらい、めっちゃがんばってる、すごいえらい。めちゃくちゃいいこ。

今月はオンラインショップも再開したので、よろしくお願いします。毎月新作を追加していく予定です。かわいいのをいっぱい作って、品数が溜まったらイベントに出ようと思っています。
https://tanakanozomi.stores.jp/

フジロックはとても楽しかった。楽しかったし疲れた。フジロックてまじでめっちゃ疲れる。暑いし。なんでわざわざあんな山の上まで行って、この暑いのに3日間も外で、よく考えたら意味がわからん。おかしい。
木曜は仕事終わってから飛行機で羽田、東京駅で最終の新幹線を待ち、日付が変わるころに越後湯沢、そこからバスに揺られて苗場、着くころには深夜1時、というスケジュールになっているので、毎年のことながら「なにこの時間」と思ってしまう。18時前に会社を出て25時着ってことは7時間移動してるからな。海外行けるがな。
ま、楽しかったからオールオッケーです。
何がこんな楽しいんや、と考えてみたけど、多分「何かを諦める」みたいなことが、楽しいんやと思う。
なんかさ、毎日さ、「圧」があるでしょ。誰からの圧かは分からんけどさ、「1日3食決まった時間に栄養のある食事を取り、7時間は寝ろ、美容と健康に気を使い、常に身綺麗にし、アンチエイジングに励み、若々しくいろ、髪や肌のケアを怠るな、清潔にした家に住み、風呂をキャンセルするな」という「価値観の圧」よ、常に感じるでしょ。しかも全部枕詞として「女なんだから」が付いているように感じる。こういう価値観て、誰かにハッキリと強要されたわけではないし、私が考えついたわけじゃないし、私が選んだわけじゃないはずやのに、なんかずっと付いてくる。付いてきて「うるせぇーな」と思うのに完全には振り切れず、いつのまにか「私の価値観」みたいな顔をしているときがある。あと別に、悪いことではないしな。そりゃ栄養のある食事をして身綺麗にして風呂をキャンセルしないほうが良いよ。単に良し悪しだけで言えば。でもしんどいときあるねん、うるせぇし、しんどい。
フジロックに行くと、このへんの圧から解放される。いや解放っていうと聞こえが良いけど、そんな素敵なもんじゃない。普通に「無理」やから「諦める」しかない。だから解放ではなく諦念。
食事は出店されているものから選ぶので栄養はもちろん偏る。フェスごはんはだいたい糖質と脂質で出来ている。基本的には行列に並んで買うので、決まった時間には取れない。お昼にお昼ごはんを食べるのを諦めたら、そこからは「朝9時に八海山を飲む」とか、「朝ごはんをかき氷で済ませる」ところまですぐに行きつく。ヘッドライナーが終わった後のお風呂は混むから当たり前のようにキャンセルして睡眠を優先する。お風呂どうしよっかな~などと悩む暇もない、寝るのが先。お風呂は翌朝か昼に入るけど、ドライヤーをかける余裕のあるような脱衣所じゃないから毎日自然乾燥で、あとテントは清潔にするのに限界がある。蛾とデカいバッタはこわいから頑張って追い出すけど、飛んだり刺したりしないタイプの蜘蛛とかは、もうあきらめて同居する。何回足をきれいに拭いても芝生がくっついてくるし、泥が足首にはねている。山にいると、“清潔”のレベルが下がる。下がっていると分かっていても、限界があるので諦める。
この諦念が楽しい。何をどのように諦めても、私は私であり、諦めたからといって別に死んだりせず、誰にも「なぜ諦めたんだ」と責められない。そのことが楽しい。そして、何かを諦めた先にも音楽がある。幸福だと思う。

帰りにシャワーを浴びて仮眠を取りたかったので、空港にあるカプセルホテルのデイユースを利用した。真昼間なので大浴場は掃除中だったけど、シャワー室なら使っていいとのことでありがたかった。大きいお風呂をてきぱきと掃除するスタッフさんたちの横で私はさっぱりとシャワーを浴び、ベッドシーツを交換したり掃除機をかけたりする心地よい物音を聞きながら1時間半ほど昼寝をした。空調のきいた部屋できちんと洗濯されたシーツにくるまり、ベッドで眠るのは4日ぶりのことで、ものすごく深く眠れた。「諦念」も楽しいけれど、お布団はほんとうに素晴らしいものだ。「いってらっしゃいませ」と送り出されて帰宅。空港はいつでも「いってらっしゃいませ」と挨拶されるのが好き。夏休みおわり!みたいな気持ち。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

archive

latest posts