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THE ORIGIN OF LOVE

2025年3月10日 (月) 19:43

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来週シルクスクリーンの作業場に行くので、版下を作った。自分でも不思議だけど、まだ作りたいのがあってびっくりする。ネタ切れみたいな状態になるかな、と思っていたのだ。全然ならない。
「また同じようなのを描いてるな」とは思うけど、これについては意図的に気にしないことに決めた。自分が同じようなのを描くことに飽きててつまんないなら問題だけど、そうではないのだから、気にしたってどうにもならない。気にしたってどうにもならないことを気にしている時間があるなら手を動かすべきだと思う。手を動かす以外に、ものを作る方法はない。

ベーグルを焼いてみた。思わず「こんだけ?」と声に出してしまうほど材料が少なかった。油も使わない。うっすら味付けした強力粉をお湯で練ったのを焼いただけの食べ物……なにこれ。焼く前に茹でる、という工程もある。なにそれ。ケトリング、というらしいのだが、ベーグル独特のむぎゅっとした食感を作るために重要らしい。生地を茹でる、という工程がある小麦粉料理はめずらしいと思う。うどんとかすいとんとかは小麦粉を茹でるけど、あれは加熱の工程やから全然違うもんな。焼く前に茹でるってなんやねん。不思議。
お菓子と違って手でこねる工程があるのも楽しい。ベーグルは生地がかたいのでこねにくいけど、やりがいがある。徐々につるんとしてくるのもかわいいし。
成形がむずかしくてあまりうまくできなかったけど、最初から成形がうまくいくことなんてないから気にしない。シュークリームだって最初は成形が難しかったもん。
味はとってもおいしかった。250gの強力粉で4個出来た。焼きたてもおいしいけど、せいろで蒸してあっためたのがすごくおいしい。クリームチーズとはちみつを挟んで食べた。

今週はフォカッチャを焼いてみた。ベーグルよりもっと簡単。夜、生地をつくっておいて冷蔵庫で発酵させ、朝起きたら焼く、という感じ。ほとんどこねなくて、ゴムベラでぺたぺたやるだけ。あんまりおもしろくはない。レシピでは「なんでも好きな具をのせたらいいよ」みたいな感じだったので、去年のフジロックのときに新潟で買ってきた温泉水の塩とローズマリーをのせて焼いた。フォカッチャってローズマリーが植えてあるイメージある。
おいしくできたけど、お皿に入れて焼いたせいで底面がめっちゃくっついた。オリーブオイルを塗っておいたけど、あかんかったみたい。次はクッキングペーパーを敷いてみようと思う。

ベーグルにしてもフォカッチャにしても、もっと美味い粉を使う必要があるな、という感じがヒシヒシした。お菓子は「バターと砂糖とたまご入っとんねんから美味いに決まっとるやろうが」という大前提があるのに対して、パンは「小麦粉と水しか入ってないのにどうしろと?」みたいな感じがある。美味くなる要素が少ない。もっと美味い粉を使う必要がある。

映画館で『ウィキッド』を観た。素晴らしかった。拍手したかったけど、恥ずかしくて……観るまで知らなかったけど、続編があるみたいだ。オープニングで「Part 1」と出てたよ。2まであるってことでいいんだろうか。
私は劇団四季のウィキッドを観たことがあるので、話の筋とか曲は知っているけど、それでも楽しめたし、とっても満足した。アリアナ・グランデもさることながら、シンシア・エリヴォの歌声が素晴らしかった。声だけで泣いちゃう。ミシェル・ヨーもぴったりで、良かったね。
一番泣いたのは、パーティーに来たエルファバがひとりで踊り出すシーン。意地悪な視線に晒されながら音楽もなく踊るエルファバに、グリンダが理解や共感を示して一緒に踊り、寄り添うシーンなのだけど、ちょっと乱暴に見えるぐらい「理屈なし」のシーンで、それがとても良かった。私は無自覚に「理解や共感には理屈が必要」だと思っていたんだなと気づいた。それこそ理屈なく、「そういうものだ」と思っていた。でも違った。違うと気づいた。エルファバはなぜ踊るか説明しないし、グリンダは踊る彼女から何をくみ取り何を理解したのか説明しない、すごく良いシーンだった。誰も何も説明しないのに、ふたりは友だちになるのだ。理屈も理由もなく、人は人を理解できるんだなと思うと、それってすごい希望じゃないですか。こういう希望って、映画にこそ与えられたいと思ってしまう。
あえて理屈っぽい解釈をするとすれば、グリンダが周囲から日々浴びている「好意」と、エルファバが周囲から日々浴びている「嫌悪」とは、「記号的である」という点で本質的には全く同じものであり、同じものを大衆から向けられている人間の気持ちを、グリンダが分からないはずない、というシーンだったと思う。「嫌悪」を浴びてもはや踊るしかないエルファバを見て「あの人は他人からどう思われてるか気にならないんだな」と言えるフィエロに対して心から「違う、分かってない」と返せる人は、あの場ではグリンダただひとりだけだった。
あと、私は「生まれながらにして精神的に強い人なんかおらん」と思っているので、そういう意味でもあのシーンは嬉しかったな。自分が抱きしめられたような気持ちだった。

観たい映画が立て続けに公開されるので、毎週映画館にいる。よく行く映画館が改装中なんだけど、全然好みじゃない建材で表面だけキレイにされていて悲しい。映画館の内装なんか、と思う人もいるだろうけど、私は毎週行く場所に全然素敵じゃない塩ビシートが貼られているの、普通にしんどいよ。
浴びるほど金を稼いだら映画館をやりたい。ロビーはクラシックなホテルみたいにカーペット貼りにする。濃紺か深いグリーンも良いし、思い切って赤にするのもいいな。でも壁にも色を使いたいからな、どうしようかな、ちょっと考えさせてください。艶のある木製のチケットカウンターにして、窓口の数だけペンダントライトをつける。映画館オリジナルのグッズも作りたいし、売店でポップコーンとホットドッグと、あとおにぎりも売るぞ。おにぎりのほうが腹持ちがよくない?餅系のフードも売りたい。ロビーはチケットカウンターのところ以外はもっと暗くて良いと思う。手元にパンフレットを読める程度の明かりがあれば、あとはもっと暗いほうが落ち着くし、天井も低めにしたいな。
わぁ映画館めちゃくちゃやりたいな。でも初期費用というより維持費用がすごいかかるだろうな……あと興行の仕組みが全く分かってないわ。映画館てどうやったら作れるんやろ。調べてみます。

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