TANAKA NOZOMI

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断層

2021年10月21日 (木) 22:25

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CT検査を受けた。持病の経過が芳しくないので、他になにか原因があるかもしれない、一度大きい病院へ行き検査を受けるように、とお医者が言うので紹介状をもらい、大きい病院へ行った。

大きい病院のお医者はとてもフランクでフレンドリーな初老の男性で、気分が軽くなったが、私にも「CTなんか撮ってなんかやばいもんが見つかったらやばい」と思う気持ちは多少ある。とはいえ「なんかやばいもん」を見つけるためにそのような検査があるのだし、どうせ「なんかやばいもん」が見つかったとしても私にできることなどそう多くない。お医者の言うとおりに薬を飲んだり、1日でも健康でいられる日が続くよう、生活習慣を改めたりするだけのことだ。
しかも「なんかやばいもん」を見つけたお医者が「なんかやばいもん見つけちった」つってそのまま放置するさまを見たことはない。なんらかの対処をしてくれる。
そもそも彼らは私より遥かにその「なんかやばいもん」について詳しいのだし、幼い頃から私には想像もつかないくらい懸命に勉学に励み、立派な大学へ進学し、人によっては大学院などもご卒業されて、なんか知らんが研修?とか?夜勤?とか、知らんけど、とにかく超一生懸命やってらっしゃるのでしょ、そうに決まってる。
わからんことはプロに任せるに限る、餅は餅屋。

「検査は最長で半日ほどかかります、ゾウエイザイを入れますから…」と看護師さんに言われ、ぼーっとする、その後の説明を聞くのを忘れる。ゾウエイザイ?なんだ。増栄剤、像映剤…
私は病院に不慣れなので、あらゆる検査について「それは、痛いですか?」と聞いてしまう。看護師さんは「痛い、というか点滴をします、あとはちょっと熱っぽくなる場合があるくらいで、痛くはないです」と答えた。
家に帰る途中、iPhoneでゾウエイザイを調べる。造影剤、だそうだ。なるほどな。

点滴も採血も、とにかく血管が絡むことは私にとって鬼門だ。私の血管は細いとか奥とか、よう分からんけどとにかく刺しにくいらしい。
今回も例にもれず、点滴の針を刺すのに体感にして1時間かかった。看護師さんは右腕で2か所刺したあと、上司らしき人を連れて戻ってきて、その人が右腕で1か所、最終的に「主任」と呼ばれている人が左腕に刺して、ようやく入ったらしい。
看護師さんたちは何度も「ごめんね、がんばろうね」と言って腕をさすってくれたが、頑張るのは私では無い気もする。とは言え私の血管が刺しにくいことは知っているし、自分で刺せるものでもないのだから、されるがまま、ベッドに横たわって耐える以外の道がない。手首のあたりの血管は刺すとめちゃくちゃ痛い。血管に針を刺して液体を直接入れるなんて、誰が思いついたんだろう。全然人道的じゃないと思う。ド変態なの?
最終的に「あぁよかった、入ったね、よかった」と看護師さんたちが口々に言うのがおかしくて笑ってしまった。私は病院が不慣れなので、何をしていてもすべてがコントのように思えてしまい、ずっと笑いをこらえている。

CT検査はどこかで目にしたことがあるようなないような、ドーナツ型の機械に寝転がって行われた。この間ずっと左手首に点滴が刺さっていて痛い。「造影剤を入れていきますね、身体の真ん中あたりがあったかくなります」と、事前に言われていたことをもう一度言われる。本当に身体の真ん中あたりが、もっと言うと子宮の少し上あたりが、ギュワワ…とあったかくなる。なにこれ。笑いそう。なにやってんのこれ。何入れたの。ゾウエイザイでしょ、分かってるけど、なにそれ。頭の上では撮影中の音(何かがドーナツ型の中をぐるぐる回る音)もグワングワンしている。なにこれ。なんかこういう音楽やる人たちおるよね。笑いそう。

CTが終わったらあとは点滴が終わるまでベッドでボーっとした。少し寝た。天気の良い日で、よその家のベッドで寝ているような感覚になる。
途中、件のフランクでフレンドリーなお医者が呼んでいる、というので点滴のガラガラを引っ張って移動。お医者は「あらっまだ点滴終わってなかったねぇ、ごめんよ」と言い、さっき撮ったばかりの写真を見せてくれた。
私にはどれが何の臓器かようわからんのだが、なんか狭そう、と思った。こんな狭いところにこんないろんな臓器が詰まっているのだ、へんなの。笑いそう。

詳細は専門医が確認するが、フランクでフレンドリーなお医者が見た感じでは、特に何の異常も見受けられない、ということらしかった。「なんかやばいもん」は見つからなかった、ということだ。よかったよかった。

つまり私は両腕の4か所を針で刺され、ひとりでくすくす笑い、ドーナツ型の機械に頭を突っ込んで息を止めたり楽にしたりあったかくなったりし、たっぷりの点滴を血管から直で流し込んで、ただ天井を見上げて寝っ転がっているだけで、土曜日の半日を終えた、ということになる。料金は7000円ちょっとだったと記憶している。なにこれ。高いな。なにをやっているんだ。

とりあえず「なんかやばいもん」は見つからなかったのだし、良しとしたらいいんだろうが、「でもコントとしては非常に弱い」という感想が頭を離れない。

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