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ツノが生えてきた

2026年4月6日 (月) 22:30

音楽のはなし

スピッツのライブに行ってきた。ファンクラブに入っていてもなお、アリーナツアーの先行に外れ、結局1枚のチケットも買えないままツアーが終わってしまったりするようなモンスターバンドなので、ファンクラブツアーって正直ありがたい。とは言え1時間半ぐらい演奏して、コーナーとかやったりして終わるんちゃう、長くても2時間はいかんかな、と油断していたらたっぷり2時間半、ほぼ演奏しっぱなしで度肝を抜かれた。元気すぎひん???

マサムネはその容姿と歌声から、老けない・妖精・エルフ扱いされてSNSで取り沙汰されているのをたまに見かけるけど、マサムネに限った話じゃなくて、普通に田村リーダーもテッちゃんも崎ちゃんも全員若すぎる。知ってるおじさんの中で一番若い。4人中ふたりがノースリーブ、ひとりが短パン(さすがに膝下)て。しかもあの、見てて不安になるおじさんの二の腕じゃなくて、めちゃ健康的な二の腕、それ何。どうやったらそんなことなるん。私の二の腕のほうが出せへん、私はスピッツより20歳も年下やのに……
あと、まだ全然キャッキャしている。スピッツって仲良しやな、といつも思ってたけど、仲良しとかいうレベルじゃないかも。MCじゃなくておしゃべりをしてるやん。楽しそうで最高です。若さっておしゃべりから生まれるんかもしれんすな。あ、そうかも。おしゃべりする相手がおる人とか、おしゃべりを楽しく出来る人って全員若い。

さらに恐ろしいのは、終盤に演奏してくれた新曲が、まだ正式なタイトルすらないというその新曲が、今日演奏した中でいちばん若々しかった。しかもあの、変に若作りして無理が透けてるやつじゃなくて、たとえばラジオでイントロが流れてきたら「あ、スピッツか?」てなるようなシグネチャーな、にも関わらずエナジー!みたいなやつ。すげぇーーー知ってたけど、改めてスピッツすげぇーーー

ちなみに私は草野マサムネを妖精扱いすることには強く反対している。勝手に反対せえよ知らんがなと思うでしょうが、でもだって、草野マサムネは、ちゃんと歳を取っています。当たり前のことを言うけど、草野マサムネは人間なので、1年にひとつ歳を取り、皺が増え、声の水分量みたいなもんは当たり前に減っています。あなたも私もそうです。ええか、よう聞けよ、マサムネがすごいんは、老けへんこととちゃうねん。老いてなお、あの声に、お気に入りのガラスのコップを透明な水を汲んだときのような満ち足りたきらめきがあること、耳の下を5月の終わりの風が通ったときのような柔らかい温度と湿度があること、落ち葉を踏みしめたときのような新鮮な喜びの感触があることやねん。私たちが何歳年を取ろうが、こういう心地よさ・気持ちよさ・美しさって、損なわれることがないねん。つまりマサムネがすごいんは、人間やからやねん。

テッちゃん寄りの席だったので、久しぶりに「ギターを弾く人をまじまじと見る」という体験が出来て幸せやった。三輪徹也さんはその風貌からはギャップすら感じるほど丁寧なギタリストなので見応えがある。ドヤ!もやらんし、「まぁこんなもんでええやろ」もやらんという……かっこいい。こんな丁寧に、丹念にギターソロを弾く人、そうおらんと思う。『田舎の生活』で弾いてたあれは12弦ですか?美しかった。あと三角のピンクのステッカーが貼ってあるゴールドのレスポールの音、あのギターいつも「めっちゃスピッツの音する」と思う。スピッツって不思議やけど、マサムネが歌う前にもう分かるねんよな。

今回、客席にどう見ても20代の、若い子が多かったのも嬉しかった。もしかして、コナン新規とか、ほらSPY×FAMILY新規とかが、生まれてるんちゃうんか。そんなんって最高。驕らずサボらず、ただ真面目に良いものを作ってれば、ちゃんと聴く人がおる、ということの証左やん。うれしいな。みんな他に音楽なに聴くんやろ。私、よくよく気をつけな若い子に話しかけるタイプのおばさんになると思う。なんか、そういう緩み方をしそう。筋トレせな。

とはいえホールライブの座席は窮屈で、サビになったら右手を揃えて一定に振る感じも永遠に慣れず、曲間のやけにシーーーンとした時間を素面で過ごすのも気詰まりで、私は「もしこれが、この人口規模の村やったら、私はこの村を追われたやろうな」などと、妙なことを考えた。だってあまりにも、違和感があり、馴染んでない。落ち着かん。『正夢』の「ずっとまともじゃないって分かってる」という歌詞が沁みる。分かってるよ。まぁそんな文脈の歌詞ではないが。強く生きよ、と思った。まぁこの村を追われても、別の村で生きていけるよきっと。どの村も追い出されるかもしれんけど、その時は森のはずれにお手製の小屋でもたてて、ひとり静かに暮らすのもいいよ。

私がスピッツを聴き始めたのは8歳のとき、親はライブに行くような人たちじゃなかったので(そんな余裕はなかったと思うし)初めてライブを見たのは16歳のとき、そのころにはもうスピッツはホールでやるバンドになっていたし、最近はアリーナツアーが普通で、スタンディングでやるにしてもzeppクラスで、だからライブハウスでスピッツを観るという夢は叶ってない。私スピッツでモッシュしたかってんけどな……こんなこと言うとから村を追われるねん。

田村リーダーが『裸のままで』を、クージーが『ガーベラ』をやりたいという話をしてくれたのが嬉しかった。結成40年にもなろうバンドで、まだ「あの曲やりたいな~」があるの素敵すぎる。正直スピッツで知らん曲などひとつもないし、嫌いな曲とか聴きたくない曲なんかまじでひとつもないので、本人たちがやりたい曲をやってくれたら良いと思うのだけど、ファンクラブツアーは毎回「演奏してほしい曲を3曲」選んで投票する形式になっている。これはこれで良い企画と思うけど、5人がやりたい曲を選ぶ回とか、スピッツスタッフが聞きたい曲を選ぶ回とかがあっても良いんちゃうか。楽しそうやけど。
そういえば昨日、『ガーベラ』の歌詞の「追い求めたモチーフはどこ」という部分をプロデューサーが「モチ一つ」と読み間違えた、というマサムネのエピソードトークを聞いて笑ってたけど、いま冷静に考えたらそれは『ガーベラ』 じゃなくて『コスモス』の歌詞ちゃうん。え、クージーは『ガーベラ』をやりたいって言うてたんじゃなかった?『コスモス』やった??でもメンバー誰もツッコんでなかったから、私が『ガーベラ』と思いこんだだけかもしれん。花の名をタイトルにするマサムネはかわいい。
テッちゃんの「こないだね、初めて、席を譲られました」というエピソードトークも良かったね。譲られた、という点にフォーカスして話したので「座った」のか「断った」のかは分からんけど、テッちゃんは素直に座ってそうなのも良い。

スピッツのライブに行くと絶対にカラオケに行きたくなって帰る、というお約束がある。やっぱメロディーが良いからかな。歌いたいねんよな。家近かったら2時間カラオケしてから帰るとこやったけど、今ここは広島で、私の家は250km先にある。バスに乗れるかすら怪しいので自転車を借りて、広島駅まで帰った。駅でがんす買ったから明日食べる。

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