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BRING YOUR BOARD!!

2023年8月16日 (水) 21:35

フジロックフェスティバル

私がフジロックに行き始めてからいつのまにか16年(16年…)が経過しており、キャンプ参加になってからも約10年が経過したようなので、ここらでいっちょ持ち物なんぞを公開しといたろか。どないかいな。需要あるかな。ないかもしれんが。
まぁ自分用のメモにもなるし、もしフジロック行ってみたいけど装備の面で不安があるなぁ~という人の参考になったらうれしいので書いてみます。長くなる予感しかせんな。目次つけます。

参考までに:

  • フジロック参加 多分12回(うち8回は3日間フル参加)
  • 毎回キャンプサイト泊(宿に泊まったことない、宿ってどうやってとるの?宿やとエアコンあるの??)
  • 免許はあるけど車には乗れないので新幹線・シャトルバスで移動
  • ほぼ毎回、姉(ひとりでテントを立てられる、場内ではたくさん寝てたくさん食べ、朝食に八海山を飲む女、持参するおやつはスルメがメイン)とふたり参加

テント設営についてキャンプサイトが一番安い宿泊方法なんだと思うけど、自分でテントを立てないといけない、というのが何よりのハードルなんじゃないだろうか。私は「正解の形が決まっているものを、ここにあるパーツを使って完成させよう!」系のものが軒並み苦手で、プラモデルやパズル、ペーパークラフト、あたりが本当に嫌いなので、テントなんてもんはもってのほかである。一方、姉はすべて大得意なので、毎年テントは姉が立ててくれている。
……急にチート技を紹介して申し訳ない。「姉が立ててくれる」はチートでしかないよな。ごめんなさい。やめてなぐんないで。
が、私も一度だけひとりでテントを設営したことがあります(ジャジャーン!)。その年は姉が仕事で前夜祭前に到着できず、私が先に着いたので……私がどうにか出来たんだから、世のほとんどの大人はどうにか出来ると思います。というか、完成の形を知っていればどうにか出来るはず。自信ない人は、公園で練習してください。テント自体の説明書みたいなのも付いているけど、あれは役に立ちません。Youtubeで予習・公園で練習・いざ苗場、が良いと思います。
また、現地には「キャンプよろず相談所」なるものが設置されており、百戦錬磨のつよつよキャンパーの方がいてくださるので、どうしても困ったら助けを求めることもできます。「自分のことは自分でやる」、が基本とは思うけど、困ったな~のときに「助けてもらえませんか」と言えることも大事と思う。

テント買う・買わない問題「そもそもテント持ってないけど」というみなさん、安心してください、私も持っていません。私も姉も、テントを持っていないし買ったこともないし、今後も買う予定はありません。毎年借りています。素晴らしいレンタルテント屋さんがあります、ここです。
アウトドアギアレンタル そらのした http://www.soranoshita.net/
さてここで、テントを「借りること」のメリットを。

  • 1年に1回のフジロックでしか使わないテントを家で保管しておく必要がない
  • そろそろフジロックやなぁ~というタイミングでテントを引っ張り出し、ちゃんと使えるかどうかチェックしなくていい
  • 買うには躊躇するような値段のテントでも、レンタルなら使える
  • 雨や朝露で濡れたままのテントを虫や草ごと無理やり畳んでそのまま発送しても、プロがちゃんとメンテナンスしてくれる

どうですか、メリットしかないでしょう。
毎年使ってるMSRのテントを買えるぐらいのレンタル料を払ってはいるものの、疲れて帰って虫と草ごと畳んできたテントをまた広げて、狭いベランダか近所の公園でメンテすることを考えたら、今後もレンタル料を払い続ける方が遥かに安い。他のお店を使ったことないので分かりませんが、そらのしたさんはいつも状態の良い新品みたいなのを貸してくださるし、お値段も手頃だし、今後も一生世話になるつもりです。
買う派の人も、何回かレンタルで使ってみてから気に入ったテントを買ったら良さそう。フジロック以外でもテントを使う人、キャンプを趣味にして楽しもうと思ってる人、自分のテントに愛着を持って大事にメンテできる人はぜひ買ってください。

使ってるテント前述のとおり私と姉は毎年そらのしたさんでレンタルし、MSRというメーカーのパパハバNXというテントを使わせてもらっています。定価で買うと10万越えの、すごい良いテントです。
最初の数年はコールマンのテントを借りていたけど、だんだん「もっと広いテントが良くない?狭くない??」となってきて……しかし、広いテント=そのぶん重量が増える=重い、ので軽量であることが最重要ポイントになり、MSRにたどり着きました。MSRは4人用のパパハバNXでも2960g、3キロを切っています。ひとりでも全然持ち運べるくらいの重さです。車参加の人は重さはあまり気にしないのかもしれないけど、私たちは家から3泊4日分の荷物にプラスしてテントを運ぶ必要があるので、重さはかなり重要なんや……
MSRは軽いのにものすごく丈夫で、2018年のほぼ台風直撃時も、2019年の過去最大雨量(私調べ)も乗り越え、3泊4日の我が家として私たちを守ってくれました。

寝具ナメんな提言①シュラフとりあえず横になって2~3時間くらい眠ればそこそこ元気になった若かりし頃とは違い、いつのまにか私も姉も30代半ばである。どんなに丈夫で軽量のテントを用意できても、そのテントの中で使う寝具には十分に気を配らねばならない。寝具をナメるな。
まず寝袋(シュラフ)が要ります。私はめっちゃ暑がりで汗かきですが、それでも苗場の夜は寒いです。昼間すごい晴れてても夜は寒いし、昼間に雨が降ると夜はもっと寒い。家ではクーラーをつけたままお腹だけタオルケットをかけて寝ている私も、苗場では寝袋を使います。
3年前くらいに買ったのがISUKAのエアドライト 160、ダウンなので軽いです。両手に乗るくらいコンパクトなのも良い。これはフード部分が無いモデルなので、頭まですっぽりしたい派の人はもういっこ上のモデル(エアドライト 190)がおすすめ。姉は寒がりなので毎年長袖のパーカーを着てから頭まですっぽり寝袋に収まって寝ています。

寝具ナメんな提言②マットテントってざっくり言うたら水弾く布やし、寝袋ってざっくり言うたらフワッとした布やから、これだけで寝るのは結構キツくて、マットが要ります。テントの床面全体に敷くインナーマットみたいなのもあると思うけど、そっちは試したことない。どうせ重いやろ、どうせデカいし。知らんけど。知らんのかい。今ここで言っているマットというのは、自分が寝る面積だけの敷布団みたいなやつのことです。
使ってるのはPAINEのクラウドマット(120cm)です。私の身長が163cmなので、120cmやと全然足らんのですが、頭の部分は枕があるし、足先の部分は荷物に乗り上げて寝る(翌朝までにむくみを取りたいから)という事情で、120cmで足りています。実際もっと質のいいマットは世の中にあると思うけど、これは1万円以下でかなり気に入っている。
銀マットでええんちゃうんか、と思うかもしれんけど、銀マットは断熱には良いけどクッション性とかはあんまり……ないよりは良いけど、ぐらいの仕事しかしません。あと嵩張る。軽いけど嵩張る、バックパックに入らん。

寝具ナメんな提言③枕これは要らん人もおるかもしれんし、マット自体に枕っぽいパーツがくっついてたりする場合もあるけど、私は要る。
使ってるのはコールマンのコンパクトインフレーターピローⅡ、空気を入れて使うタイプです。空気だけで膨らませるんじゃなくて、中にスポンジも入ってるので、空気を入れずともまぁまぁふかふかします。空気はパンパンに入れずに調整して好みの硬さにしています。枕カバーはタオル地のやつを持って行ってる。

寝具類はモンベルのコンプレッションバッグにまとめてさらに圧縮する、黄色いのはモンベルの折りたためる小さめリュックです

荷物背負う派・転がす派4日分の衣類やタオル、前述の寝具類、お風呂のあれこれやメイク道具など、結構な量の荷物になります。これらをバックパックで背負って運ぶ派と、キャリーケースで転がす派がおるが、私は背負って運ぶ派です。
背負って運ぶことのメリットはこんな感じ。

  • 足場がどんな状態になっても運べる
  • 雨が降ってきてもカバーで守れる
  • 荷物を出し入れするときに場所を取らない

現地は舗装されてない道も多いので、キャリーケースの小さいキャスターは転がしにくいし、雨降ってて泥状態やとコロコロできんし不便……とはいえ宿に泊まる人は特に問題ないのかもしれん。テントに泊まる場合、テントの中でキャリーケースを横に広げて物を出し入れする、というのはかなり場所を取ると思う。バックパックはものを出し入れするときもサイズが変わらないので、そこが良いね。
一方、背負って運ぶことのデメリットも挙げてみる。

  • 重い、シンプルに重い(どんなに熱心に軽量化に励んでも10kgを切ったことはない)
  • 背負う⇔おろす、の動作がしんどい
  • なんとなく奇異の目で見られる

背負ったまま歩いてるときは別に重くないけど、一旦おろして手で持ったりすると超重い。あれなんでなんやろな。背負ったりおろしたりを繰り返すのが一番しんどい。
最後の「奇異の目」は別に気にせんことにしてはいるけど、まぁまぁジロジロ見られるし、電車などでは露骨に「邪魔やな」と言われたりもします。ははは。

使ってるバックパックバックパックは長らくお父さんのを借りてたけど、少し大きいし、そろそろ自分のが欲しいなぁ~と思って5年前に石井スポーツさんに買いに行きました。バックパックコーナー的なところにおる店員さんにお願いして、ありとあらゆるバックパックを背負わせてもらった結果、グレゴリーを買った。容量は45リットル。
あんまり山男っぽい見た目のは嫌、マムートとか、ちょっとおしゃれなやつが良い、ドイターは嫌、ドイターは山男すぎる、などとゴネたのですが、最終的にカリマーに決めかけたころ、店員さんの「まぁ僕はグレゴリー一択なんですけどね……」のひと言でグレゴリーをお試しし、結果私もグレゴリー一択になりました。背負うと分かる、全然違う、まじグレゴリー一択。
とは言えデザイン的にはいまだにカリマーのridgeとか、ノースフェイスのテルスのほうがかわいいと思ってるけど……あとグレゴリーは前のロゴの方が良かった。でも背負い心地と使いやすさは本当に気に入っています。

5年目に突入したグレゴリー MAVEN45、まじでフジロックのときしか使わんから結構きれい

靴どないすんねん問題フジロックにおいて、人類が何より真剣に取り組むべき問題、それは靴。靴どないすんねん。
まずは都市型フェスとは異なる、フジロックの歩行環境(歩行環境?)について押さえよう。

  • 会場全体が舗装されているわけではないので、あらゆる足場を体験することになる
  • 土、砂、石、砂利、芝生、板張りの道が混在、もちろん平坦ではない
  • 雨も降る、雨量の差はあるけど毎年降るのは降る
  • 川もある、昼間は暑いので、足だけでもザブンと入りたくなる
  • 会場を端から端まで歩くと1時間くらいはかかる、1日の移動は少なくても1万歩超える

つまり、歩きやすさ・雨対策・いろんな足場への対応、を総合的に判断して靴をチョイスせなあかんな、という話です。
では私の靴に関する見解をどうぞ。

①サンダル/ビーサン/クロックス/コンバース
上記、フジロックにおいてはすべてザコ靴です。私はこれらを「ナメ靴」と呼んでいます。フジロックをナメている靴、の意。
ビーサンとかクロックスでそのままザブザブ川に入っていったりする人を見ると、いいなぁ気持ちよさそうやなぁ、と思うものの、長時間長距離を歩くには不向きです。一時的に履く分には良いやろけど。足指が出てるのも危ない。
コンバースは素足の裏にゴムを貼り付けたぐらいの防御力しかないし、キャンバス地なのですぐ濡れるし乾かんし、もう履いてなくても一緒ちゃうんか。ゴアテックス素材(めっちゃ防水)のコンバースもあるらしいけど、それ外側だけやろ?
サンダルはピンキリなので、足先が守られてて水はけが良くて滑りにくいサンダルは結構良さそうかもな、とは思います。KEENのNEWPORTとか。試したことはない。

②スニーカー
履き慣れたスニーカーで行く、という人は一定数おりそう。慣れた靴、強いからな……私も10代のころはそろそろ捨ててもいいかな、というスニーカーで行って、帰ったら捨てる、というのをやっていました。とはいえ街用のスニーカーは山歩きには不向きで雨にも弱い。ザコ靴。

③長靴
どうせ雨降るから最初っから長靴で良くない?の発想で、天候に関わらず長靴で過ごす人たち、おるよな。姉も一時期これでした。雨が降ってきたから靴を履き替える、という手間がなく、野鳥の会の長靴とかは折りたたんで丈を変えたりも出来るし、ショート丈のスカートとかパンツに合わせると見た目もかわいい。
が、長靴は長靴なので、長時間長距離を歩くには不向き。ムレるし。

④トレッキングシューズ
結局トレッキングシューズが一番ええな、という結論にたどり着いた今年。足場の悪いところを長時間長距離歩くために作られており、もちろん悪天候も想定されているので雨にも強い。結局トレッキングシューズが一番ええんやな。
上記①~③に比べると重いのと脱ぎ履きしづらいのがデメリットではあるものの、それを補って余りあるほど快適です。

使ってる靴KEENのピレニーズを今年買いました。ハイキングシューズって書いてあるな、トレッキングシューズとちゃうんか。まぁおんなじようなもんか。
あまりハイテクっぽい見た目の靴が好きじゃないんですが、ピレニーズはなんかクラシカルな見た目がかわいくて、これにしました。レザーなので買ってすぐはちょっと固くて、現地で靴擦れしたら怖いなと思い、4~5回履いて出かけ、少し慣らしました。
紐をほどいて脱ぎ履きするので面倒ではあるけど、結構ガバッと開くのと、かかと部分に紐があるので思ったより履きやすい。横着して紐をほどき切らんまま脱ごうとすると大変です。横着すな。
今年はあまり雨が降らんかったので(20分くらいザーッと降っただけ)どんぐらい雨に強いかは未知数。とは言え2018、2019年レベルの雨になったら正直どんな靴履いてても無理やと思う。
ちなみに今年から長靴を持っていくのをやめにしました。バックパックの中で嵩張るし、雨が降ってきてからテントに履き替えに帰るのめんどくさいし、靴底うすくて足つかれるし、あんまり好きちゃうなぁと思って……
結果として、今年はあんま降らんかったからピレニーズでいけたけど、どうなんやろなーーーーー
なお、キャンプサイトでちょっと歯を磨きに行ったり、おトイレに行ったりするときにつっかける用のサンダルは毎年持って行っています。ちょっとテントから出たいだけの時にわざわざ靴履くのめんどいからな。見た目はビルケンのEVAに似ているけど、私のは100均で買ったナメ靴です。壊れたりちぎれたりしたら次はちゃんとビルケンのEVAを買おうと思ってるけど、これがなかなか丈夫でな……100均あるあるじゃない?

さいごに他にも山ほど持ち物があるけど(雨具の話してないし)、6000字を超えたし疲れたので一旦終了して公開します。来年も無事に開催されるといいな!苗場で会いましょう。

All My Favorites Songs

2023年8月3日 (木) 20:37

フジロックフェスティバル

フジロック、おかげさまで無事に終えました。
今年も暑かった。いっしょうけんめい日焼け止めを塗ったから、今年はあんまり焼けてないぞ~と思ったのに、家について鏡を見たら全然焼けてて笑った。

2020年は中止、2021年はチケットを買ってたけど結局行かないことにしたし、2022年のフジロックは何かがちょっと妙な感じだったし、だから「フジロック久しぶりに来たなぁ」と思った。「人多いなぁ」と思ったけど、でも「いや、もともとこんなもんやった気もする」とも思う。まぁ私の記憶なんて頼りにならないが。
とは言え、今年はすごく外国人の入場者が多かったように思う。キャンプサイトでも韓国語、中国語を身近に聞いたし、お姉ちゃんは新幹線の中で出会った台湾人の男の子と話しながら苗場入りしたらしい。外国で野外フェスに行くって結構ハードル高いんじゃないかと思うけど、みんなすごいなぁ。

私は木曜の夜に飛行機で羽田へ、到着が40分ちかく遅れたために上越新幹線に乗ったのが最終の22時半、苗場に着くころにはとっくに日付が変わっていた。新幹線のホーム内で何か食べようと思ったのにキオスクが閉まっていて、仕方なく自販機に売っていたパサパサのドーナツを食べた。関西方面から行くフジロック、ほんとに遠い。
とは言え越後湯沢に着いたらあとはバスに乗せてもらえて、苗場に着いたらお姉ちゃんがテントをきちんと立ててくれていて、私はパジャマに着替えたり歯をみがいたりすればすぐに寝られるのだから、まったくありがたい話だ。お腹がすいてるけど、起きたらおいしいものがたくさん売ってるし。
ちなみに私とお姉ちゃんが毎年「ピザ食べた、マルゲリータとクアトロフォルマッジ」「オアシスで売ってる海老油そばめちゃくちゃおいしい」「今年もタナカクマキチの舞茸とろろ丼絶対食べる」などとメシの話ばかりするので、母は「あんたたち毎年フジロック行ってちゃんとライブ観てんの?ごはんの話しかせんやん、ごはん食べに行っとんちゃうん」と言っている。あながち間違ってもいない、というぐらい、私たちはごはんを楽しみにフジロックへ行っています。が、ヘブンのピザはもう3年くらい来ていないし(もう来ないんだろうか)、今年は渡なべの海老油そばもなかった。さみしい。
今年食べたいちばんおいしかったものは場外エリアのコロッケサンド。ただコロッケを食パンにはさんでソースをかけただけのものでキャベツも入ってないような素っ気ないものだったけど、妙においしかった。コロッケって長いこと作ってないなぁ、涼しくなったら作ろう。

ここ数年はあまり深刻な雨が降らない代わりにめちゃくちゃ暑い。7時ごろに太陽が出て来てから15時くらいまでは日差しが強すぎて木陰から出られない。2日目は「木陰で昼寝をしにきた人」と化し、日が暮れるまで何のライブも観ずに過ごした。目が覚めるとタテタカコさんが「くまのこみていたかくれんぼ♪」と歌ったりしていて、夢みたいだった。木道亭、すごい好きなステージだったから復活してほしい。

「今年はフジロック行くっつーかThe Strokesを観に行く」みたいなモチベーションでいたけど、なんか遠慮してしまって結構後ろのほうで聞いたの、今考えるとあんま良くなかったな。私よりもっとストロークスを好きな人がおるから……とか思うの、下山してから考えるとアホみたいだ。ああやって、円の外にいるみたいな気持ちでライブを観たらだめだ。ちゃんと身体ごとあの円に入らないとだめだよ。あ、概念の話です、実際に円があるわけではないです。
私だってじゅうぶんストロークスが好きだよ、ツタヤさんで予約しておいた「First Impressions of Earth」を買いに、お父さんが車で送ってくれた日のことを、今もよく覚えてる。お年玉で買ったから、お正月だったと思う。
カネコアヤノさんのライブは初めて観たけど、めちゃくちゃ硬派なライブをする人で、かっこよかった。もし時代に声があったらこんな声なんじゃないかな、と思ったりした。……意味は自分でも分かりません。でも、例えば「平成」に声があったら折坂悠太さんみたいな声だろうと思うし、「令和」に声があったらカネコアヤノさんみたいな声だろうと思う。あと「この人、怒ってることいっぱいあるんだろうな」という感じがあって、それも良かった。正面から真っ当に怒る、というのはすごく難しいことだからだ。それから「ひとりで風邪をひいた僕は町でいちばんかわいそう」みたいな歌詞の曲がとても良かった。
最終日はWeezerを観てシメとした。自分で思ってるよりずっとWeezerが好きだな、と気づく。ステージがあって、私は今日は6時に起きてお昼寝もしてないからめっちゃくちゃ眠いけど、でもここで待ってればWeezerが出てくるのだ、と思うと、ふいに泣きそうになって、自分でもおもしろかった。何この感情、どういう感情で泣いてる?いろんなアルバムの曲を少しずつやってくれて、ずっと一緒に歌った。年取ってるなぁ、と思った。当たり前だが「Make Believe」発売時に16歳だった私が34歳になっているんだから、Weezerも同じだけ年を取るのだ。でもメンバーは前に観たときより雰囲気良さそうだったし、楽しそうだったし、新曲も良かったし「なんだか未来は明るいな」と思ったりもした。新曲が良い、というのは希望そのものだ。
ELLEGARDENの新曲も良かった、新曲かどうか分からないけど、なんかあの、「角のチーズケーキファクトリーがあったの、たまに思い出すよ」みたいな歌詞のやつ。……いや全然違うかも。でも「チーズケーキ」は絶対言うてたけどな……

現地にARMYがいそう、と思ってウットくんを身につけていたら3日目のオアシス手前あたりでジンペンのお姉さんが話しかけてくれて、すごくうれしかった。どのくらい話し込んでいいのか分からなくて「うれしい、めっちゃうれしい、会いたかった」みたいなことしか言えなかったが、別れ際に「(ジンくんが)元気に帰ってくるのを待ちましょうね!」と言ってくれて、あぁそうだ、私もそれが言いたかったの、と思った。この人にもう会えないかもしれないと思うと数分しゃべっただけで名前も聞いていないのになぜか寂しくなり、連絡先とかを聞けばよかったな、と思ったけど、でもたぶんそういうのは野暮。野暮?蛇足?過剰?まぁどれでもいいけど。

帰りはめずらしく友人と一緒に下山したので(私はひとりで帰ることが多い、お姉ちゃんは日曜に帰ることが多いから)友人が買ってくれた大きいおにぎりや笹だんごを新幹線で一緒に食べたりして楽しかった。東京駅で別れた。次会うのは11月だ。元気でね、また連絡します。
新丸ビルにルノートルが出来ているので寄りたい、ルノートルのプラリネ食べたい、と思ったが靴がめちゃくちゃ汚いのでやめにして、そのまま空港へ。フジロックの帰りって本当に靴が汚い、土埃がすごいので……が、今年買ったkEENのピレニーズは本当に良かった。トレッキングシューズなので重いのは重いけど、長時間歩くのに向いているし、岩場で滑ったり靴擦れしたりすることもなく、快適に過ごせました。雨への耐久性は謎。今年ほぼ降ってない。

空港ではラウンジでシャワーを借りた。30分でシャワー浴びてざっくり化粧終わらせるの、まぁまぁの達成感がある。ラウンジのシャワールームはタオルも置いてあるし、きれいやし、何よりさっぱりして帰れるのが嬉しい。
せっかく第2ターミナルまで来たし、と思ってマルコリーニでソフトクリームを食べた。空港たのしい。靴が汚いとルノートルはだめでマルコリーニはアリなの、我ながらよう分からんな。どういうルールやねん。マルコリーニをナメているとかではないです。

今年は本を持って行かなかったので、来年は気を付けます。本一冊あると、森で暮らすのが捗るので。

RIDE ON TIME

2022年8月17日 (水) 21:40

フジロックフェスティバル

2020年は中止、2021年は行かなかったので、2年ぶり、か。
無事に終わりました。

「いつものフジロック」とのことでしたが、やっぱりいつもどおりではないけどな……という感じもある。が、いつもどおりは「いつもどおり」と言うことからしか始められない気もする。「いつもの」と言っていくことからしか、「いつもの」を得ることは出来ないのだ。その上「いつもの」はいつだって少しずつ変化している。

去年もきっとそうだったんだろうと思うけど、場内はいろいろ感染対策がなされていた。運営側がすべきこと・できることは十分にやってくれたんじゃないかと思う。あとは参加する側が個人ですべきこと・考えること・実践することしかないし、こんなのはコロナ禍でなくたってフジロックはいつもそうなのだ。熱中症で倒れないように、突然の雨や夜の寒さに対応できるように、何が要るのか自分で考えて、自分で自分の体調管理をしっかりして、毎年トライ&エラーでやっていくしかない。というかそれを楽しむのがフジロックだとも思う。たくさん日に当たると思ったより体力を消耗すること、朝日が昇ったあとのテントで寝るのはかなり難しいこと(暑すぎる)、疲れていてもお風呂に入って身綺麗にした方が疲れが取れること、靴にはいくらお金をかけてもいいこと、などを学びながら、10数回のフジロックを終えてきた。今年得た学びは「スプレータイプの日焼け止めはSPFが高くても気休めにしかならない」ということ(学びが遅い)。めちゃくちゃ日焼けした。

今年は木曜の夜に仕事終わりで出発し、まずは飛行機で羽田へ、モノレールとJRで移動して東京から新幹線に乗り、越後湯沢に着いたのは23時過ぎ、シャトルバスに乗り込んで苗場に着くころには24時を回っていた。苗場めちゃくちゃ遠い。着いてから何か食べればいいか、と思っていたが東京駅で空腹に限界が来て、発車直前の新幹線から飛び降り、ホームのキオスクでじゃがりことゆでたまごを買って食べた。おにぎりとか買えよ。
棟梁(実姉)はテントの場所をお知らせしてくれないまま寝てしまっていた。無理もない、テントをたてているときは雨だったらしいし、疲れただろう。

空港では十徳ナイフをうっかり機内持ち込みの手荷物に入れてしまい(モバイルバッテリーのポーチに入れてしまってた、モバイルバッテリーは手荷物でしか持ち込めないのでバックパックから移動させたがこれがまずかった)なおかつ刃渡りが6センチ以上あるとのことで警察官も登場し、バタついた。ふーーー焦った。へんな汗かいた。
焦るあまり警察の方の「何に使用するものですか?」という質問に「あの、えっと、桃、桃を剥いたりします」と答えて露骨に怪訝な顔をされた。まぁ事実なんだが(毎年フィールドオブヘブンというステージのエリアにあるお店で桃が売っている、まるごと売られているので皮を剥いてかぶりつくのが定番だが手と口がベッタベタになるので、桃へのモチベーションが高い私は毎回十徳ナイフを持参している)普通に「キャンプに行くので草を刈ったり紐を切ったり、何かと便利なんです」とかを言えばよかった。果物ですらなく「桃」と限定しているのが不審さを際立てている。しかも今年はヘブンで桃を売っているいつものお店が出店していなかったので、桃は食べられずじまい……代わりに(代わりに?)トマトを食べたので、十徳ナイフはそこで活躍しました。

15年間で10回くらい行ったから、あらゆるもの(ああいうのギアって言うんかな、ちょっと恥ずかしくて言えんな)を軽量化していくムーブにそろそろ終わりが見え、今年はかなりパッキングがスムーズに出来た。テントの中で使うものはもう事足りているし、来年は特に買い足したり買い替えたりしなくて良さそう。と言いつつ靴を買い替えようかな~とうっすら考えてもいるので信用ならない。でも、こういうの考えたり調べたり買いに行って店員さんの話を聞いたり使ってみたりするのがすごく楽しい。私は車がちゃんと運転できたらソロキャンプ行くタイプの人間だと思う。
長靴は重くはないけどバックパックの中では嵩張るうえによほどの雨量にならないと履き替えに戻らないので、より雨に強い靴を導入して長靴を持って行かないようにしたい。「よほどの雨量」は2019年のことを言ってるけど、今年はほぼ雨降らなかったね。靴の候補はKEENです。

去年出演をキャンセルした折坂悠太さんが今年はグリーンステージに出ていて、冒頭のMCで「去年はキャンセルして、今年はグリーンに出ている、でも去年と今年の何が違うのか、と問われたら答えられない」と話していたのが印象的だった。私も去年はキャンセルして、今年は行ったからだ。私だって差は何かと問われたら答えられない。感染者数の増え方からすると、今年もキャンセルすべきだったかも。でも行くことにした。自分で行くと決めた。これでよかったんだろうか。今もまだモヤモヤする。これでよかった、などと思う日は来ないかもしれない。モヤモヤしないために、行くべきじゃなかったのかも。でも生きていれば大抵の時間はモヤモヤすることに費やしているぞ、私の意志とは関係なく。それに、じゃあ何がどうなれば行っていいと思えるんだ。うーん、確実なこと、確信をもって言えることが、手元に何もない。
折坂悠太さんは「この営みを、続けるしかないんだと思う」というようなところに、この話を着地させた。そうですよね、と思ったが、こんなフワフワした話に着地点なんかないよな、とも思う。だって今も「この営み」の真っただ中に私たちは居るのだ。正解だって今も、未だに、ずっと分からないままだ。家から一歩も出ず、誰にも会わず、常にマスクをつけて、手指を消毒液に浸していれば、それが正解なんだろうか。あまりにも極端だし、それは「この営み」からは最も遠い。
ひとつだけ確実なことがあるとすれば、彼の「針の穴」という曲が、いつかの私の苦しさや心許なさを大きな布でくるむようにして支えてくれた、ということだ。音楽はいつだって私を救いも殺しもしないが、ただ背を支え、肩に手を添えてくれる。
演奏はとてもよかった。

3日目の午後、突然降り始めた雨の中、シャトルバスに乗って帰った。まだ半日以上あるのに帰るのか、もったいないなぁ~でも月曜から5日間フル出勤やからなぁ~~~
駅で本屋さんに寄ったらどう考えても帰るまでに1冊しか読み切らないのに、文庫本を2冊買ってしまった。私は出先で本を買って荷物を増やす悪癖がある。
空港で食べた蕎麦がイマイチで悲しい。いつも通り三田製麺所でつけ麺を食べればよかった。私、蕎麦は角が立ったかっこいいやつが好きだ。いつも通り千疋屋でお土産の杏仁プリンを買い、いつも通りラウンジでオレンジジュースを飲んだ。
空港から家まではタクシーに乗るつもりだったけど、思ったより元気があるので普通にポートライナーに乗り、駅からは自転車を借りて帰った。左腕につけたままのリストバンドが、なんとなくさみしい。夏終わったなぁ。

帰りも家が遠い。

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