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猊下(げいか)

2025年5月14日 (水) 20:33

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検索で見つけた韓国人の女の子のnoteがおもしろくて、一気に読んだ。翻訳アプリを使って書いているらしい。記事によると彼女は何回か日本に旅行に来ているのだけど「彼氏が日本のコンバースは日本だけの仕様だ、韓国では買えない、と言って説得されたので、買って帰った」みたいなことが書いてあってちょっとおもしろい。私は「韓国だと日本にはないUS仕様のコンバースが買える!最高!」と盛り上がっているのによ。視点や視座が変わると、物の見え方や価値は簡単にひっくり返る。

週末に映画館へ行ったとき、ものすごく客入りが良さそうで「人気なんだな~」と思っていた『教皇選挙』を観てきた。奇しくも映画の公開期間中に、現実のコンクラーベが行われることになってすごい。こんなの狙っても出来ないでしょう。
ある程度は予備知識が要るだろうと思って、「教皇選挙 予備知識」で検索して出てきた記事を読んでから映画館へ。まぁ何も知らなくても大丈夫だったように思う。
脚本がおもしろいと同時に、画面がバチバチに決まっていてかっこよかった。メインのキャストはほぼ全員が「枢機卿」の役なので、お揃いの深紅の法服を着ているのだけど、これがまぁめちゃくちゃに決まっている。引きで撮っても寄りで撮っても画面映えしている。あのやや後頭部側に乗っかっている(被っている、というよりは乗っかっている)帽子も深紅で、マントというかケープみたいなのを着ているから、上から撮っても画面映えする。
時代設定が分からなくなるようなクラシカルで重厚な衣装を着て、歴史的建造物の中にいて、おそらく何百年も同じ手筈で行ってきたであろうコンクラーベを行いながらも、スマホを使ったりタブレットを預けたりするシーンがあるのもおもしろかった。そのうえ役者は名優揃い。
「お仕事ムービー」として観ることもできると思う。もちろん現実とは乖離があるだろうけど、リアルな面もあっただろう。

家を買うとき、ローンを組むのに銀行の人と面談みたいなことをする場があった。
銀行員(しかも窓口の人ではなく融資の人)と会ったことはなかったので「きっとお堅い感じの人やろうな」と思っていたけど、担当はにこやかかつ朗らかな男性だった。ローン審査を前にずっと胃が痛かったので、私はだいぶホッとした。
仕事の話になり、Webデザイナーだと話すと「え、Webデザイナーなんですか!僕いまあのドラマ見てるんですよ“わたし、定時で帰ります。”、知ってます?」とおっしゃった。私はドラマは見ていなかったけど、タイトルは知っていた。吉高由里子さんが出ているやつだ。「あんまり定時で帰れないんですか……?」とおっしゃるので「いえ、今の会社はとってもホワイトな会社なので、ほとんど定時で帰れます」と答えた。とはいえIT業界は慢性的な人手不足で、残業!徹夜!みたいな会社もまだ多いだろう。私も以前勤めていた会社は終業時間を誰も守らないし、残業代も一切つかないし、定時で帰りたいときは事前に申請する必要があったので、件のドラマも「完全なフィクションである」とは言い難い。手元に仕事がなくなっても、営業が戻ってくるまでは帰れない、みたいな毎日だった。
彼は「やっぱりドラマはドラマですもんね、現実とは違いますよね」と言っていたが「でも銀行だって毎日“半沢直樹”かって言ったらさすがにそんなことはないけど、たまに“半沢直樹”みたいなこと起きたりするでしょう?」と言ったら「ほんとにそうです、たまにあります“半沢直樹”みたいなこと、しかも“今すごい半沢直樹みたい…!”と思っちゃう」と言っていた。
フィクションを経たあとに発生する「自分の現実とか日常とかがフィクションめいて見える」この感じ、どの業種にもあるんだろうか。

『教皇選挙』を観て今回のコンクラーベに参加することになった枢機卿もいただろうな。「うわ、今のめっちゃ“教皇選挙”みたいやったな」と思うタイミングがあったかどうか聞きたい。

なお、劇中では「コンクレイヴ」と発音していたように思う。英語の発音なのかな。

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