TANAKA NOZOMI

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鰐皮

2021年10月23日 (土) 22:56

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私は仕事柄、SNSの動向やユーザーの傾向などを調べたり、とにかく知識として持っておく必要がある。今10代の若者たちはインスタをストーリーズをメイン機能として使用しており、フィードはほとんど更新もせず、見もしない、というのが一般的だそうだ。まじかよ。私はいまだにストーリーズのいい感じの使い方がさっぱり分からないし、そもそも動画を撮る習慣がなく、加工も面倒で、全然使っていない。そのほかの追加機能については名称はかろうじて把握しているものの、使ったこともなければ見てもいない。こういうところから「歳とったなぁ」と感じるものなのだろうか。少なくともインスタグラムユーザーのメインストリーム的なところに、私は全くいないと思う。相変わらず真俯瞰のメシの写真を撮ってはいるが、最近はインスタにあげることのほうが少ない。理由は分からない。

私がインスタグラムを始めたのはおそらく2010年、加工のためのフィルターがたくさんあって、適当に撮ってもなんか「それっぽい」写真になるアプリ、Twitterの写真版、みたいな扱いだったと思う。今見ると元の画質も荒いしピントもあまいしなんか可笑しい。
あのころはまだiPhoneを持っている人も少なくて、友だちやバイト仲間とご飯を食べたりしているときには「あ、それiPhone?ちょっと触らせて」みたいなことが頻発したし、そういうときに見せる用の飛び道具的なアプリ(振るとライトセーバーの音がして光るアプリとか、ボタンをタップして「Harder Better Faster Stronger」と「Technologic」を演奏できるアプリとか)をいくつか入れていた。
10年も経つとスターウォーズは9まで出るし、ダフトパンクは解散する。

「10年ひと昔」ってのはほんとなんだな、私は別に変わってないつもりだったけど、それでも欲しいものはどんどん変わっていったし、あんなに好きだった人は声すらほとんど思い出せないし、当時自分で作ってたお弁当は全然おいしそうに見えない。
あんなにずっと会社にいたのにお金もないし時間もなくて、腹いせに深夜2時からDVD見たりしてた、ハタチの私よ。あなたはそのまま何者にもなれないが、でもそのぼんやりとした手応えの無さからはいずれ開放されるよ。いや開放はされないが、そんなに気にならなくなるよ。信じてもらえないかもしれないけど、それ持ったまま生きられるよ、捨てたり、いつか消滅させるものだと思ってるでしょ?持ったまま生きられるんだよ。しかも両手で持たなくて大丈夫だよ、小脇でいける。
許せないものごとは今もあるが、それらを脳裏に浮かべながらでも、夜は眠れるようになった。寝ていられなくて、一人暮らしなのに「家に居場所がない」と、環七通りを歩いたりしなくてよくなった。これはでも、ただの鈍麻かもしれない。

私にできることは、この先何年生きても、あなたのことを「夢があり、みずみずしく、活気にあふれた若者だった」などと捏造しないことだけだ。そんな大それた嘘を自分で信じ込んだり、誰かに吹聴したり、私はぜったいにしない、約束する。
あなたのその「ままならなさ」を死ぬまで忘れないし、「絶望に恵まれないことだってなかなかの絶望だ」と思っていたことをずっとずっと覚えてるよ。自分がなさけなくてばかみたいだったね。かわいそうに、でも今も概ねそんな感じだよ。わはは。
そんな自分を真俯瞰で見たり、シャッターを切ったのにどこにもアップしないまま消したりしながら、これからもやるんだよ。残念だったな、人間は歳取ったぐらいのことで、そう簡単にかっこよくはなれない。

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