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ビブリオマニア

2024年3月4日 (月) 20:13

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土曜日、『落下の解剖学』を観た。かっこいい邦題だな~と思って……原題は『ANATOMIE D’UNE CHUTE』、フランス語で、deeplで訳すと『転倒の解剖学』になった。うーん断然『落下』のほうが良いな。

映画は序盤からエンディングまでずっと、端的に言うと「不穏」だった。シーンのほとんどが雪山の山荘か、法廷で、なんとなくドキュメンタリーっぽいカットが多く、緊張感があった。寄りすぎなんじゃないの、と思うカットや、突然ズームするカットがあることで、妙な緊迫感がある。会話がメインだが、説明のための台詞がほとんど一切ないので、自然と集中する。何かをジャッジしなければならないような気持ちになり、気を抜いていられない。何か見落としたんじゃないか、何か聞きこぼしたんじゃないか、と穏やかでいられない。
「信用する」というのは別に事実の積み重ねによって完成するようなものではなくて、単に「選択」のひとつでしかないのかもな、と思ったりした。それで言うと、私はこの映画の登場人物を誰ひとりとして信用してはいない。
「好き嫌い」と「信用」とは全然関連しないことだったよな、とも思った。っつーか「好き嫌い」ってちょっとジョーカーみたいなところがあるね。なんというか、他の感情と同列で「好き嫌い」を扱えない感じがあるというか、明らかに異質ではないかと思う。
品格がある映画だったな、と思う。めっちゃ好みでした。

映画館を出たら14時を過ぎていてびっくりした。11時過ぎに始まったのに?そんなに長い映画だったのか。2時間半ぐらいあったみたいです。気づかなかったな。
南京町にあるお茶屋さんで豆花を食べて帰った。

日曜日、『ソウルメイト』を観た。韓国の作品で香港の映画のリメイクらしい。
刹那的であることが魅力になるのって、どうして若いうちだけなんだろう、と思ったけど、これは誤りで、単に私が「刹那的であることが魅力だと感じるのは若いうちだけだ」と思っているんだろうな。
私も「27歳で死ぬ」と言ったことがあったよな、と思い出した。でも実際は、生きるのが楽しくなってきたのは27歳からこっちのほうだ。人生がちゃんと自分の手の上に乗っかっていると思えるようになったのは、27歳よりこっちだ。
とても悲しい映画だった。何かをひとつ戻せば、どれかひとつが違えば、こうはならなかったのに、とは思えないから余計に悲しい。
友愛や親愛や家族愛や恋愛や性愛に、それぞれに境目はあるのだろうか。もしあるとして、それはそんなにハッキリくっきりしたものなんだろうか。

映画館を出たら世界が明るすぎて眩しすぎて、ほとんど目があけられなかった。なんつー良い天気だ。眩しくて涙が出てくる。サングラスほしい。ラジオを聞きながら海までダラダラ歩いて、コロッケを買って帰った。
道中、計3組の観光客に「写真を撮ってもらえますか?」と声をかけられ、都度「もちろん良いですよ」と対応した。ポートタワーは改装が終わり、工事のためにかかっていた足場が取れたので、一緒に写真を撮っている人が多いみたいだった。みんな神戸どう?いい感じ?

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