タナカノゾミのポートフォリオサイト

blog

春の日

2024年7月7日 (日) 21:20

uncategorized

ずっとやりたかったワッペンワークをしに行ってきたので写真を載せます。
ワッペンワークっていうのは、なんかその名の通り、ワッペンを自分で選んで、ポーチとかトレカケースとかに並べて、そんでアイロンでくっつけてもらうっていう、ワークショップのことです。めちゃくちゃ楽しかった〜

今回は正方形のポーチと、キーホルダーを作った。食べ物ワッペンがかわいすぎて……韓国の食べ物で揃えたけど、パンは私が好きやから入れた。あとピザはジンくんの「ピザ」の言い方が可愛いから入れた。キンパすごいかわいくない?右上のやで。
ワッペンはサイズとか種類に関わらず全部100円です。周りのは靴下とかハンカチとかに自分で貼ろうと思って単体で買ったワッペン。

キーホルダーのほうは推しの概念キーホルダーにしました。満足度高い。あまりにも上手くできた。満足度高い。

ジンくん毎日セルカあげてくれて嬉しい。ご負担になりませんか……と思うけど、嬉しい。兵役を経た今(いや私はまったく経てないが)リアルタイムの推し、めちゃくちゃ幸せです。微差しかないセルカを2~3枚あげてくれるのも良い。

これをどこに載せようか悩んだ結果、ブログに載せることにしたわ。最近はブログが一番落ち着く、安息の地。
今日は洗濯を終えて、来週刷るものも描いたし、よくやったよくやった。

チープな定め

2024年6月27日 (木) 20:58

uncategorized

精神的に不安になるタイプの仕事を数ヶ月続けているせいで、疲労感がすごい。直接謝ったり説明をしなくていいポジションだったころに戻りたい。……と思ったけど生まれてこのかたそんな「守られポジション」に立ったことなかった。私は常に矢面。歩兵なら常に槍もって1列目。わはは。
あとご希望通り「守られポジション」に置いていただいたとしても、どうせ私は「何を勝手に守られポジションに置いてくれてんねんまじナメんな戦力としてカウントしろ」と言うに決まっている。はいはい、望んだとおりの人生ですよ。おめでとうございますありがとうございます。

ハウスオブザドラゴンのシーズン2が配信開始されている。まずはシーズン1を見返してから2を見ようと思い、1話を再生したが、キツすぎる。そうやったそうやった、これめっちゃキツいドラマなんやった。
初回から人間の弱さ、狡さ、惨たらしさ、みじめさが、これでもかと詰め込まれている。語弊を恐れずに言えば、見たくないシーンしかない。人間が苦しめられるほとんどすべてのことを、人間が引き起こしているな、とも思う。これの解決策、まじで「誰も生まれない」しかないやん。無理すぎる。だって生まれちゃってるから。私も、お前も、みんな生まれちゃってるからな。不可逆~!!!あ、お前って呼んでごめん。
見てるほうもキツいが、こんなもんは作るほうもキツいに決まっている。どうせ生まれちゃったし、どうせキツいなら、誰かがキツいのに頑張って作ったやつを見たほうが良いな、と思う。シーズン2も11話まであるらしいので、この夏はハウスオブザドラゴンをやります。

弟の友人がソフトを置いていってくれたらしく、実家にマリオカートがある。甥たちは6歳と4歳で、マリオカートは一緒に出来る。父、母も参加し「負けたらふたり入れ替わる、負けた人は1レースお休み」のルールでマリカー大会が開催された。
大人が誰ひとり忖度しないので、甥たちは2レースに1回はお休みすることになる。こういうとき「気を利かせて負けてあげる」みたいなのが必要なのかどうかを、たまに考える。
前に4歳の甥がオセロをやると言うのでふたりで始めたら、途中でぜんぶの石が黒になって終わった。甥は別にサボったりしてなくて彼なりに一生懸命やってるけど、手元の石を使い切ることなく負けている。「そこに置いたら次ぜんぶひっくり返されるで、角を取らな」とか言っても、まぁ4歳ではなかなか、理解が難しい。
とは言え最近は「上手く出来ないこと」を「かわいい」とか言って笑うとめっちゃ怒る。それもまた「怒ってるやんwww」ってなってかわいいねんけど、怒る気持ちも分かるから、我慢する。
6歳の甥は負けると泣く。あまりにもすぐ泣くので「え、負けたという事実をあまり咀嚼せずに泣いてない???」と思う。4歳の甥は泣きはしないものの「え?負けたんや、俺、いつのまに、なんでや」みたいなどんくさい感じがある。いろんな子供がおる。
ゲームに限らずスポーツとか、勝敗があるものは世の中にたくさんあるし、勝つときもあれば負けるときもある。私は「ゲームやねんから負けたって別にどうってことないやん」とも思うし、一方で「ゲームやからって負けたら悔しい、頑張ったのに、途中までうまくいってたのに」と思う気持ちだってめっちゃ分かる。どっちかのスタンスに振り切ったことない。「絶対勝ちたい」と思う日もあれば「勝敗を付けることすら嫌、ナンセンスすぎ」みたいな日もある。これは共存できる感情やと思う。
甥たちにも「ゲームやねんから負けたってどうでもいいねんで」とは言いたくないし、「勝たな意味ないやん」とかも言いたくない。楽しかったり悔しかったり、自分でも意味分からんぐらい勝ちたかったり負けてもクソどうでも良かったり、人が勝つの見てうれしかったり、人が負けるの見て一緒に泣いたり、そういうの全部、全部の気持ちを、自分で見つけるやつやん。人に教わるやつじゃないやん。だから、私は私でマリオカートを楽しんで、余計なことを考えずに、忖度もせずに、ただ楽しくやったらええわな、と思っている。今のところは。
最新のマリオカート、車体とタイヤと羽(羽?)を選べるようになっていて楽しい。飛距離が全然伸びないのに羽はガーベラの形のやつをチョイスしてしまう。黄色で、かわいいから。弟は「かわいいとかええねん、速いかどうかだけ見ろや」などとまるで趣の無いことを言っている。父は回数を重ねるたびに着実に成長していくタイプで、地道に勝ち続けているが、道にバナナを設置しておく性格の悪さもある。母は「ぜんぜん勝たれへんわ、練習せなあかんな」などと言って、甥たちが寝たあとにコソ練している。いろんな大人がおる。

除隊記念韓国旅行雑記

2024年6月19日 (水) 20:40

旅行

はじめに推し(防弾少年団のジンくんです)が兵役を終えて帰ってきたので、うれしい気持ちを噛み締めたくて韓国旅行にいってきました。航空券を取ったのは半年前で、ドッキドキのひとり海外旅でしたが、ほんとに楽しい旅行だった。好きな人が生まれて育った国も好きになりました。
旅行中、時間が空いたときに書いたものをまとめたので、ここに残します。おすすめ情報や観光案内などではなく感想です。体感では1万字を超えたと思います。ようけ書いたな~

  • 3泊4日のひとり旅
  • 航空会社はJinAir(名前が良いので決めた)
  • Airbnbで借りたマンションに宿泊
  • 韓国に行くのは初めて

空港と飛行機なんの見覚えもなく、どこに何があるか検討もつかなくて、よく理由を考えたら、関西国際空港を利用したのは初めてのことだった。よかった、記憶喪失じゃなくて。上から覗き込んだ到着ロビーだけは「なんとなく既視感がある」と思ったが、これは『YOUは何しに日本へ?』の記憶だった。テレ東。
出国前日、あまりにも荷物が少ないので、何か忘れてるんじゃないかと思い「海外旅行 持ち物」で検索した。真面目でしょう、私はそういうところがあります。
入国カードを機内で書く場合などに必要なのでボールペンを持っていくと良い、と書いてあったので「ほほーんなるほど、ポーチに一本入れていこう」と思ったのに、忘れた。思ったときにすぐ入れろや。阿保でしょう、私はそういうところもあります。
結局お隣の席の方に貸していただいた。お隣は2人連れのARMY旅行だそうで、HYBE近くのホテルに泊まる、とのこと。ペンを貸してくださっただけでなく、飴ちゃんまでくれた。ありがとうございました。
帰りも機内でお隣の方が「使います?」と貸してくださった。親子お二人連れで、出国の日に機体の不具合があって引き返し、結局10時間以上の遅延に遭ったらしい。娘さんはストレスで体調を崩すし災難だったわ……とのこと。気の毒な……でも「めったにこんなことないから、すごい経験でした!」みたいなものすごくカラッとした方で、素敵な母ちゃんやな、と思った。一緒に海外旅行に行けて、非常時にも強い母ちゃん、そないおらんでな。娘さんは「私もBTSならジンくんが好き」とのこと。へへへ、かっこいいよね。

韓国の人たち韓国の人たちは(私が接した範囲内なのでごく数人だが)こざっぱりとしていて良かった。老若男女問わず、あまり他人に興味がないのだと思う。
日本にいるとき、嫌なのが頭の先からつま先まで品定めでもするようにこちらを見る人が居ることだ。何かをジャッジする目線に疲れることが多い。もちろん私が人の目を気にしていることの裏返しだと思うけど、卵が先か鶏が先かみたいな話でもある。
韓国の人たちは私になんか興味がない。ジャッジしない。用事もない。用事があるのは私の方で「これをください」とか「箱は要りません」とか「おトイレがありますか?」とか「エゴマの粉が欲しいです」とか言う私にだけ目線を向けてくれる。それ以外はでかい荷物を持ってガサガサやっていても、靴の試着がうまく出来ずにワタワタしていても、放っておいてくれる。私はこれぐらいが、居心地が良い。
大きく分けると2パターンの人がいて「用事があるようなので対応していますよ、言っとくけど私はわりとシャイなほうなのよ」という感じの人と、あとは「ったくしょうがねぇな、わかったよ、待ってろ俺がやってやるから」という感じの人がいた。後者はミンユンギみを感じて萌える。

家は안국(安国/アングク)という駅の近くのマンションをAirbnbで借りた。行きたい美術館がこのあたりに集まっていたので、駅から近い家を探した。경복궁(景福宮/キョンボックン)も近い(けど行ってはない、横を通っただけ)。
えらいもんで、2日目になるともう安国駅に着くとホッとする。適応する生き物なんだな、と思う。
玄関の鍵がテンキー式なのが不安だったが慣れれば鍵を持ち歩く必要がなく、閉めたかどうか不安になることもなく、自分が帰るだけで家が開くのはなかなか良い。まぁ4桁で良いのか、という不安はあるね。
家はワンルームで12畳ほど、ベランダはなく、室外機は家の内側に置いて扉を閉められるような構造になっている。これ、外壁にホースが出ないし良いな。でも洗濯物はどこに干すんですか。全部部屋干し?
エアコンは日本よりかなり低い位置に付いている。家そのものがエアコンを設置する前提で設計されているので、電源コードも出ないし部屋の中にホースを這わすこともない。まじでエアコンだけが壁にドン、とある状態。めっちゃ良い。私も家これにしたかった。
窓はあるけどほとんど開かなかった。街を歩いていても、ベランダがある家はほとんど見当たらない。黄砂のニュースを思い出し、ソウル市内のマンションは大体こういう感じなのかな、と歩きながら思った。
一方の韓屋(古い木造の家屋、これはたぶん朝鮮古来の建築様式、たぶん)は窓側に柱を立ててあって、全部開くようになっている。風通しが良い。冬は寒かっただろうな、と思った矢先にオンドルのことを思い出した。次は韓屋に泊まるぞ。

お天気年明けに航空券を買ったとき、6月半ばに行くことが決まって一番懸念したのは「ずっと雨だったら何やるか変わってくるな……」ということだった。結果として、4日中3日は良く晴れて、1日は明け方と午後に少し雨が降った。雨が降った日はちょっと涼しくなって嬉しかった。日中はかなり日差しが強く、30℃くらいになったので日傘と日焼け止めを持って行って正解だった。みなさん、モンベルの日傘を買ってください。木陰を持ち歩くようなものです。
もっと蒸し暑いのかと思っていたけど、日本より湿度は低いように感じた。私はパンと同じくらい湿度に弱いので、湿度には敏感です。日が暮れるとかなり涼しく、窓を開けて寝たいような風があった。

交通機関ソウルは公共交通機関が安い。地下鉄とバスでだいたいどこでも行けるし、すごく便利。社内はどこもガンガンに冷房が効いていて寒い。
行きは空港から電車で市内へ、帰りはリムジンバスに乗って空港へ行った。リムジンバス、座席も広くて快適だった……
ソウルに限らず、バスは全般的にハードルが高いように感じる。日本国内でも、知らない土地で乗るバスは緊張する。どこから乗るのか分からないことも多いし、距離で値段が変わるのか、一律なのかも分からなかったりする。電車に比べて運転手さんひとりに全権がある感じもちょっと怖い。
パリでは停留所の案内をする音声が一切流れないバスもあったりしてGoogleマップで表示した位置情報を睨みつけながら乗り、一か八かで降りたりした。
ソウル市内のバスは色と番号で分類されている。NAVERマップで行先を調べると「緑の157」とかが出るので、そのバスに乗る。向きには注意しないといけないけど、屋根がないような小さい停留所にも路線図が載っているので大丈夫でした。乗るのは前からで、乗るときと降りるときの両方でピッすれば完了。降りたいときは赤いまん丸の停車ボタンを押し、先に降り口でピッしておけばドアが開いたら即降りてOK。先にピッ出来るので、降車はとてもスムーズ。
バスに乗り込むときや、混んでいる中を移動するときに、若い子がみんな「감사합니다(ありがとうございます)」と言っていたのが印象的だった。乗るときは分かるけど、人を避けるときも감사합니다で良いのか。まぁ感じ良いよね。
電車内の広告だとしても、知っている顔があるとちょっと安心するものなんだな、ということを学びました。マドンソクさんとペクジョンウォン先生、PSYさんです。ペクジョンウォン先生はまじで街中どこにでもいて安心します。

お金/ピッするカードピッするカードはいくつか種類がある。いわゆるSUICAとかICOCAとかにあたるのがT-moneyカード、外国人観光客向けのWowpassとか。Wowpassはプリペイド機能もあるので、チャージしてレストランとかで使える。
私はNAMAMEカードにした。Wowpassと同じくプリペイド機能がついていて、残額をアプリで確認できるのも便利。何よりNAMAMEカードは好きな写真をプリントしてオリジナルデザインに出来る。もちろんジンくんの写真のNAMAMEカードを作りました。ポケットにいつもジンくんが居る旅行、すごくかわいい。
ただ、チャージ手数料をまぁまぁ取られます。たぶんデザインにこだわりがなければWowpassが一番良いと思う。チャージ手数料もかからんらしいし。知らんけど。使ってないから知らんけど。
現金は空港で多めに両替してから行ったけど、結局ほとんど使わなかった。そのまま持って帰ってきた。屋台とかでは現金しか使えんとこが多いらしいと聞いたのだけど、そもそも屋台に行かなかったな。ま、お金は腐らないし、また使えるから良しとする。

自転車自転車に乗るのが好きなので、私は旅行にいくとレンタル自転車を使う。ソウルには「따릉이(タルンイ)」というサービスがあり、観光客も利用できる。使い方は私が神戸で使っているのとほぼ同じだが、1時間1,000ウォンなのでタルンイの方がちょっと安い。
家のまえにタルンイのポートがあるのは初日に確認したものの、自転車の台数が少ないのか、全然使えなかった。タイミングを見計らっていたら、3日目の夜、명동(明洞/ミョンドン)からの帰りに見つけて、ようやく乗ることが出来た。嬉しくて、涼しいし、無駄に遠回りして帰った。

旅行と読書旅行のときは本を読む時間が長い。移動中や、滞在先の眠れない夜や、カフェでの手持ち無沙汰な時間、私は本を読んで過ごすことが多い。フランスに行ったときは西加奈子の『サラバ!』を読んだ。帰りの空港で読み終わった。元号が変わるあたりの10連休で広島に行ったときは、志賀直哉の『暗夜行路』を読んだ。尾道にある志賀直哉の家の庭で、車で神戸から来る家族を待っているときに読み終わった。
韓国で読むのは茨木のり子の『ハングルへの旅』にした。年明けに航空券を取ったあとすぐ、本屋さんで見かけてかったのを寝かせてあったのだ。出版されたのは1986年、私が生まれる2年前のことなのに、共感できることばかり書いてあって驚く。ちょいちょい涙ぐみながら読んだ。言語ってなんでこんなにおもしろいんだろう。

2024 FESTA(BTSの11周年イベント)FESTA会場はほとんどスタッフがおらず、おそらくFESTAとはまったく関係のない駐車場のおじさんが行列を整理してくれたり、近くの売店のおじさんが水を売りに回ってくれたり、現地アミの女の子がグッズの配布状況を教えてくれたり、別の海外アミがそれを英訳してくれたりして、どうにか運営されている感じだった。運営の詳細はさっぱり分からないので印象だけで勝手なことを言うけど、何かの実態を垣間見た気持ちになり、少し不安になる。HYBEってあまり、いやかなり、信用ならない会社なので……そもそも人間がやることってあまり信用出来ないし(絶対は無い、という意味で)、あと事業って基本的には善意に頼らないほうがいいと思うけどな……と考えた。私が大好きな男の子たち7人は、この会社の所属アーティストであり、株を持ってるとはいえ、それ以上でもそれ以下でもないねんよな。ちょっとこの話はまだ、もう少し考えますね。いや別に誰も聞きたくないか。
ただ、どこに行ってもコミュニケーションを取ろうとする強い人というのは居るんだな、とも思った。どちらが良い悪いの話ではないけれど、取ろうとする人にしか立てない場所は必ずある。あとそういう人がいると心強い。私はあまりにも身体が利かないというか、頭が先に物事を処理するタイプだし、そのことがコンプレックスでもあるから。

ジンくん18ヶ月の兵役を終え、除隊(転役、が正しいのかな)したジンくんが2部制のイベントをしてくれた。1部は抽選で当たった1,000人とのハグ会、2部はステージイベントを用意してくれていた。2部は配信があったので、私はエアビーで借りた家で、チキンを食べながら観た。厳密に言うとチキンを買って家に向かっている途中に始まってしまい、iPhoneで観ながら走って帰った。小さい液晶画面でジンくんの姿を見て、イヤフォンで声を聞くだけでおもしろいぐらいグシャグシャに泣いた。18ヶ月ぶりに見る、今、おなじ時間を生きるジンくん。まばゆい。
自転車で登場したスーツ姿のジンくんは(この衣装と自転車は入隊前に出したシングル曲のMVから繋がっている演出、こんなん泣く)内側から発光してピカピカしていた。比喩ではなくて、推しの贔屓目でもなくて、ジンくんはまじで発光している。大理石は光を通すから、大理石で作った彫像はふっくらホワンと光るでしょう。あれです。ジンくんはあれなんです。しかもジンくんは彫像じゃなくて人間なので、息をして動き、話し、まばたきをする。そのうえ歌うし踊る。やばすぎ。
っつーか除隊した翌日に歌ってくれるなんて思わんやん、私は思ってなかった。ジンくんに何かしてほしいなどと全く思わない、ただ無事に帰ってきてくれ、元気な顔を見せてほしい、としか思ってなくて、それだって全然ささやかな願いではないと思っていたのによ。ありがとう以上の言葉が存在してくれよ。
こんな贅沢が許されるんか、今日はなんなん、タナノゾ最終回「あんたの夢ぜんぶ叶えたろか」スペシャル???と思いながら500mlのビールをがぶがぶ飲んだ。ビールはぜんぶ目から出ました。ジンくんおかえりなさい。元気に帰ってきてくれてありがとう。待ってたよ。

ごはん4月に発売されたなかしましほさんの本「ソウルのおいしいごはんとおやつ」を買い、かなり参考にさせてもらった。ブログを見てくれて私の韓国行きを知った友人も「読んでみたら?」と連絡をくれ、もちろん購入して熟読した。期待したとおり「こ、こんなにきちんと足を使って調べたことを教えてくださるんですか……良いんですか………」という内容の本で、ありがたかった。
本の中で紹介されていた食堂に行ったら「私が食べたいと思っていた韓国料理はこれだよ、まさにこれ」という定食を食べることができた。日替わり定食でメインは茹でた豚もも肉、お野菜の小鉢が4品とキムチ、お味噌汁が付いている。特に小鉢が、パリパリの生の青唐辛子をお味噌で和えたのとか、茄子の煮びたしみたいなのとか、めちゃくちゃおいしかった。塩加減やそれぞれの味付けのバランスも良い。
私は本当にうまいものを食べている時、めちゃくちゃ顔がこわい。ほとんどブチ切れながら完食し、キマッた目のままお店のおばあちゃんに「ごちそうさまでした、すごくおいしかった」と言った。おばあちゃんは小さい子どもを見るような顔をして私の通じているのかあやしいレベルの韓国語をうんうんと聞いてくれて、泣くかと思った。ジンくんが帰ってきたことと、ジンくんが帰ってきたソウルに自分がいられること、などの最終回感で涙腺は常にガバガバ。

アイスアメリカーノソウルはコーヒー文化で、みんな冬でもアイスアメリカーノを飲むらしい。私は「アメリカーノなんか全然好きじゃない、なんで薄めるねん」と思って生きてきたけど、郷に行っては郷に従えと思い、いざ飲んでみると酸味がキリリとしていて苦みは控えめ、あっさりしていてゴクゴク飲める。……なるほど……おいしいやん。もしかしたら麦茶みたいなノリで飲んでるのかもしれない。でも冬でも飲むのは共感できない。冬はカフェラテとか飲みたいし、絶対ホットが良い。
ただ、アイスアメリカーノは飲み終わったあと氷のガラガラ入ったドデカカップを持ち歩くことになる。どうすんのこれ、どこに捨てんの。氷が入っているものをゴミ箱に捨てるのは気が引ける。
そしたら、服屋さんとか雑貨屋さんとかの入り口にアイスアメリカーノカップ捨て用のスタンドみたいなものが設置されているのに気が付いた。な、なるほど、すごい。ここに置いておけば、店員さんが回収して、氷を捨てて、カップも分別してくれるらしい。そのお店で買ったアイスアメリカーノじゃないのによ?「みんながアイスアメリカーノを飲むこと」を前提として街が出来ている。すごい。
旅行にいって私が「見たい」と思うのって、こういうやつやねんけど、言ってる意味分かる?城とか寺とかじゃなくて、こういうのが見たいねん、生活が見たいねん。いや城とか寺とかも見たいけど。

パンパン屋が多い。もしかしたらパンそのものが流行っているんだろうか。そして、どのパン屋もひとつずつがでかい。日本のパンがどんどん小さくなっている(値段は据え置きなのに……)現状に比べると、異常なくらい大きい。ただ不思議と下品ではなくて、おおらかさを感じる。「いっぱい食べなよ、うまいっしょ?いっぱい食べな」みたいな感じ。ひとり旅じゃなければ、いろんな種類を分けっこして食べられるのにな~
流行りのベーカリーカフェonionへ行ってみたら、平日の9時というのに既に8組ほど並んでいる。ほぼ全員観光客っぽい。店はオペレーションがきちんとしていて、並ぶけど混んではなくて良かった。店員さんは席に案内してくれる時に「韓国語で良い?英語が良い?」と聞いてくれてかっこよかった。外人でしょ?と決めつけないところとか。
混んでる店で嫌なことといえば、忙しさにやられて店員さん同士が殺伐としていたり、何かミスしたらしき若い人が客前で怒鳴られたりしていることだ。お店が人気になって繁盛することと、お店で働く人がハッピーに仕事をすることがイコールになっていないのを見るとつらい。忙しいと焦るし、焦るとミスするし、仕方ないのに、そのことを責める空気感がお店に満ちていると苦しい。onionはそういうしんどさが一切なかった。良い店だね。
これで味が美味かったら完璧やん、と思ったけど、しっかり味もうまかった。良い店だね。
Fabrikrというデザインユニット?が店舗のデザインなんかをしているらしいく、韓屋を使った建物も良かった。レジに並びながら梁を見続けたせいで首が痛い。韓屋は木造だし、おそらく杉だし、瓦屋根だし、全体的に日本家屋に似ているけれど、ざっくばらんな雰囲気があってすごくかわいい。住居として使っている韓屋も見てみたい。
最終日には流行りのロンドンべーグルミュージアムにも行った。こちらもオペレーションがしっかりしていて良い店でした。

コンビニBTSのドキュメンタリーや韓国ドラマを見ていると、コンビニで何かを食べるシーンや、コンビニで買ってきたものを食べるシーンが多い。日本でも買えるけど、結構高いことが多いので、食べてみたかったものをいろいろ試した。바나나우유(バナナウユ)우유(ウユ)は牛乳の意。特徴的なボトルに入っていて、韓国ドラマでしょっちゅう見かける。想像した通りの味。あまくておいしい。お風呂あがりに飲みたい味がする。
パウチドリンク日本でいうレトルトカレーが入っているようなアルミ製の袋で、紅茶とかジュースとかが売っている。常温の売り場にある。カップに入った氷が別で売っているので、自分で袋から移して飲む。ピーチティーとスイカジュースを試した。おいしいけど、ぜんぶ思っているより2段階くらい甘い。
김밥(キンパ)海苔巻き。おにぎりが売っている棚にある。なかしましほさんの「パッケージの写真で辛そうなのは、写真から想像できないレベルで辛いことがあるので、ツナにするのがおすすめ」というコメントを見たので、ツナキンパにした。
もし韓国に住んでたら私の晩ごはんは毎日これで良いけど……と思うくらいおいしかった。私が買ったのはツナマヨとにんじん、たまごとたくあんの他に、おあげをあまからく煮た具が入っていて、このおあげがアクセントになっておいしい。キンパは巻終わってから海苔にうすーくごま油をつけるのだけど、これが風味をつけるだけでなく、ごはんがパサパサになるのを防いでくれている。キンパってかなりコンビニ向きの食べものな気がする。日本のコンビニにも巻き寿司はあるけど、あれより断然おいしい。
私は家でもキンパを作るし、お店で買ったりもするし、だから結構キンパが好きなんやけど、今回はこのコンビニキンパしか食べられなかったのでちょっと心残り。次回ね。
비요뜨(ピヨット)ヨーグルトにチョコレートのシリアルがくっついたもの。四角いパッケージの右上にドッグイヤーみたいな形でシリアル用のポケットが区切られていて、これをヨーグルトに入れて食べる。これも想像した通りの味だが、ヨーグルト本体の味とシリアルの種類がそれぞれ組み合わせでバリエーションが多いので、選ぶのが楽しくて良かった。
こういうのってデザインの仕事やねんよな、良い仕事やな。

美術館ソウルに行ってやりたいことのメインは、美術館に行くことだった。ソウルには国営や市営ではない美術館が多く、特に現代アートの美術館が多い。
3日目、めちゃくちゃ意欲的に回ったところ、4つの美術館に行けた。この日は本当に「ひとり旅で良かった」と思った。昼ごはんも晩ごはんもパスして血眼で美術館を回るスケジュールに、人を付き合わせずに済んだ。
どこもすごく楽しめたので、思い出を書きます。
ソウル工芸博物館チケットを買うように案内されないので、どうすればいいの……と尋ねたら、なんと無料だった。全部。まじかよ。
大きく分けると木工・陶磁器・布の常設展がある。陶磁器のエリアの展示物は割れて一部分しか残っていないものが多く、すこし悲しい気持ちになった。茨木のり子の本で「陶磁器を日常で使えるのは国が平和な証拠だ、韓国がステンレスの食器を使うのは、持って逃げられるようにだった」という記述を、読んだばかりだったので、実感を伴って悲しい。
豊臣秀吉の朝鮮侵略のころ、日本人は現地の陶工をごっそり連れて帰ったらしい。文化的にも影響があっただろうと思う。それに「連れて帰った」なんてこっち都合の言いかたで、現実とはズレがあるだろう。されたことだけじゃなくて、したことの歴史を勉強しなきゃな、と最近はよく思う。
布のエリアの展示物は、私が見たいと思っていたものがたくさんあった。刺繍ってほとんど「祈り」と同義と思うんですけど、この感じってアジア圏だけなんだろうか。メキシコや東欧に行って、見てみたい。
企画展は韓国とオーストリアの作家が作ったアクセサリーを集めた現代工芸の展示で、これもすごくおもしろかった。ざっくり言うとアクセサリーを身体との関係性について考えるとこから作る作家たちの作品を集めましたよ、みたいな感じの企画展。すごく良いキュレーターが居るぞ、と思った。
この日は土曜日だったせいか、少し遠方から遊びに来たらしきおばちゃんたちのグループが何組かいたり、親子連れがいたりした。子ども館もあったけど入っていいのか分からず、スルー。今考えたら多分入って良いよな……
ARARIO GALLERY SEOULオットセイのロゴがかわいいコーヒー屋さんFRITZのすぐ隣にあるギャラリー。ミュージアムのほうは1970年代の建物らしい。もともとは何の建物やったんやろ……あとで調べます。
ミュージアムは結構こわい(表現が難しい、でもこわかった、ゾワゾワした)作品が多く、この日はまともにごはんを食べていないせいもあって急激に胃の調子が悪くなった。ごはんは、食べたほうが良いです(当たり前)。とは言え良いギャラリーやった、ここは多分民間かな。こんなのが家の近くにあったら良いやろうな~通うよな~
アートソンジェセンターここは年齢によってチケットの金額が異なる仕組みになっている。分け方に名称が無いので「大人です」とか言うわけにもいかず、指を差す案内表示などもない。加えて私はまだ数字を韓国語で正しく言えないのでめちゃくちゃテンパり、英語で「私は35歳です」と自己紹介する人になってしまった。笑 せめて「25歳以上です」と言えばよかったよね。
ここではホー・ツーニェンというアーティストの企画展を見た。シンガポールの方だそうです。映像の展示だったのでちょっと怯んだけど、無視して入館。映像作品て見るのにかなり時間かかるから、疲れるでしょう、映像作品だけとなると、結構怯む。でもせっかく来たし。旅行先では「せっかく来たし」でアクティブになれるのが良いね。結局地下のシアターに1時間くらいいたし、トータル3時間くらいいたはず。
2階で見た2作品は日本に関連するものだった。韓国にいて、シンガポールのアーティストが作った作品から、私は日本の知らないことを学んでいる日本人で、なんというか、足場がぐらぐらした。本当に何も知らないまま生きているな、と毎日思う。このフロアは蚊帳みたいなのの中でビニール畳に座って映像を見る展示方法になっているのもおもしろかった。
1日に2回ミュージアムガイドもあるみたいで、良い美術館だな、と思った。音声ガイドも良いけど、人間のガイドさんがおるとその場で質問したりコミュニケーション取れるのが良いよね。
屋上と庭にあるインスタレーション作品や、1階ギャラリーの不眠症をテーマにしたアーティストの作品もどれもすごくおもしろかったな。ここ毎回行きたいです。
国立現代美術館ドドン!国立!というサイズ感の美術館で嬉しかった。大きい美術館、嬉しい。ここでも刺繍の企画展を見るつもりだったのだけど、それは徳寿宮館のほうでやっているらしく、ソウル館ではなかった。下調べ不足。国立現代美術館は市内にあるぜんぶで4つの館で構成されているようです。すごいね。ソウル館だけでもかなり広く、無料で見られる企画展もある。ここ毎回行きたいです。
どれがどういう企画展なのか分からない。というか現代アートって日本語で見たって7~8割しか分からないでしょう。いや悪口じゃなくて。
ロビーで頑張って調べようとパンフレットを手に取ったものの、どうでもよくなってきて早々にチケット売り場へ。窓口のお姉さんに「一番好きな展示どれ?」と聞いた。「おすすめ」という韓国語がパッと思いつかないので「一番好きな」と聞いたけど、お姉さんは「私はこれが好き、でも全部見られるチケットもあるよ」と教えてくれた。
全部見られるチケットは5,000ウォン。5,000ウォンは日本円だと570円くらいなので、ほとんどタダみたいな値段です。国立とはいえすごい。常設展だけならまだしも。もちろん全部チケットにした。
特におもしろかったのは『가변하는 소장품(可変する所蔵品)』という企画展。ざっくり言うと一般的な絵画や彫像と違って現代美術というのは「作品のサイズが決まっていないもの(=可変)」があったり、「どこにどのように展示するかを作者が指定しないもの(=可変)」があったりするので、それを楽しもうや!みたいな内容でした。今誰か連絡をくれたら、写真を見せながら私が解説できるくらい熱心に見た。おもしろかった。

명동(明洞/ミョンドン)ひとりなので夜はあまり出歩きたくなかったが、明洞で行きたいお店に行くタイミングがなく、3日目の夜に無理やり行った。美術館を4つ回った後なので、まじで無理やり感がすごい。でも全部徒歩で周れる距離で、行きたいとこは3店舗くらいだし、どこも22時とか23時まで開いている。LINEで私のひとり旅に付き合ってくれる友人たちも「行けるなら行ったほうがいいよ」「せっかくだから行きなよ」と言うので、気合い入れて出かけた。結果として行ってよかった、帰りは自転車に乗れたし。友だちの言うことは、いつでも素直に聞くに限るな。
地下鉄で辿り着いた明洞はこうこうと明るく、21時を過ぎているのにすごく混雑していた。観光客の熱気や楽しそうな雰囲気に比べて、店員さんたちの疲労感というか常にうっすらとした苛立ちがあるような顔が印象的だった。ニューヨークでも同じ顔を見たな、と思い出す。
お金を使って何かを消費する楽しさって、私も分かるけど、今まさに享受しているし、それは間違いなく楽しいけど、でも限界があるよな、と思った。必ず誰かが割を食う仕組みになっているし、しかもその「誰か」は必ず社会的弱者だし、こういう不均衡な構造って永遠に続くものじゃないよな。
ただ思ったより長く続いているようだし、国が変わっても同じ構造を目にする。とはいえ引き返したり、一旦立ち止まったりすることが上手に出来た国を見たことがないです。日本もそうでしょう。
そもそもこの構造になっていない国を知っていたら教えてください。行って見てみたいので。

망원동(望遠洞/マンウォンドン)홍대(弘大/ホンデ)ってよく聞くけど「홍익대학교」の略だったみたい。대학교は大学という意味なので、弘益(홍익)大学(대학교)の略ってこと。東京大学を東大って言うのと同じか。バスに乗って注意深く地名を見ていると、他にも大学名の略称が地名になっているところがあった。弘益大学は美術・デザイン・建築などの学校らしい。多摩美とかムサビみたいな感じかな。
弘大駅は結構人が多くて原宿みたいな混み方をしていたけど、少し離れた망원동(望遠洞/マンウォンドン)まで歩くと市場があったり、かわいい雑貨屋さんがこまごまとあったりして好きな雰囲気だった。
韓国に行ったら平たい桃(蟠桃といいます)を食べたい、と思って売ってそうなところで探したけど、まだ時期が早いみたいで全然売ってなかった。今はすももと青梅がたくさん売られている。青梅は5kgで23,000ウォン。5kgも要らないけど、でもまぁ2.5kgずつ梅シロップと梅酒にすればちょうどいい量か、と思いかけて「あぁ買っても持って帰れないのか」と寂しくなった。イカも安いのにな。目がきれい。おいしそう。
私はどこへ行っても、その街が気に入ると住んでみたくなる。旅行も好きだけど、生活のほうがもっと好きだからだと思う。
もしここに住んでたら、と考える。もしここに住んでたら、魚屋さんのおっちゃんに「イカ3杯ほしい、これ刺身でもいける?」と聞いてから買い、青梅5キロを抱えてうんうん言いながら家に帰るだろう。午後は梅を洗って、ヘタを取って、「あぁ氷砂糖が足りないかも」と言いながら市場に戻ったりして、夜はイカをさばいて食べるの。もしここに住んでたら刺身には醤油をつけずに、チョジャンをつけるだろう。楽しいだろうな。ここに住んでみたい。

さいごによく歩き、よく遊んだので、どっぷり疲れた。今回行きたいな~と思っていたところへは大体行けたので心残りはないけれど、次はここへ行きたい、という場所もまだたくさんある。またすぐ行きたいな。好きな人が生まれて育った国を好きになれて嬉しい。
韓国語を頑張りたいな、とも思えた。その国で生活している人に自分の韓国語が通じたり、その人達が話すことをほんの少しでも聞き取れたりするのって、めちゃくちゃ原始的な喜びがあるね。誰かBTSの話してないかな~と思って街や電車で聞き耳をたてていたんですが、一番多く聞いた名前は「キムナムジュン」で、話の内容は「サックスの演奏してたの見た?」でした。3組遭遇しました。どれも好意的というか、ウケるわ~みたいな感じでした。
韓国行こうかな、という人はお声がけください。何回でも行きます。

archive

latest posts