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たかをくくろうか

2023年11月10日 (金) 20:11

お芝居のはなし

『音楽劇 浅草キッド』を観てきた。新歌舞伎座は初めてで、役者のお名前が書いてある大きいのぼりが出ているのがかっこよかった。これぞ歌舞伎座って感じ。
舞台に立つ林遣都さんを観るのは『熱帯樹』以来だから2019年ぶりだ。下手から「ぬっ」とした立ち姿で登場し、その「ぬっ」具合が最高だった。あぁそうか、北野武の役なんだった、と思い出すような「ぬっ」具合だった。例えば『火花』の徳永も「ぬっ」としていたけど、北野武の「ぬっ」具合とは違う。っつーか林遣都さんてすごくきれいなお顔立ちをしていらっしゃるのに何故か「シュッ」としてはいなくて基本的に「ぬっ」としているところがめちゃくちゃ良くないですか。最高です。

NETFLIX版の『浅草キッド』は観ていたので、大体のあらすじは分かったうえで観たけど、“音楽劇”と付いているだけあって歌ったり踊ったり盛りだくさんな舞台だった。母は「ミュージカルじゃないん?音楽劇……?」と言っていたが、私は「下の句が“浅草キッド”やねんから“ミュージカル 浅草キッド”はおかしいやん、テンション変わってくるやん」と返しておきました。緞帳が開く前に鳴り出した楽器の音が明らかに生だったので「え、バンドがおるやん、やった」となり、林遣都さんについても「あ、あなたも歌うんか、ありがとうございます」となった。いやそらまぁ歌うか。いやでも歌うイメージなかったから……え、役で歌う機会ってありましたか?これまでに。タップダンスはやると思ってたけど、歌うと思ってなかった。なんでや。
カラオケでミスチルを歌ってる動画とかなら見たことあるけど、でも舞台とかお芝居で歌ってるのは初めて観た気がする。上手でした。いや上手って感じでもないか。なんというか「うまいことやってる」とか「乗りこなしている」という感じではなくて、ちゃんと役として、人柄とか性格とか生活とかが見えるような歌を歌っている、という感じだった。歌ってそういうところが良いよね、誰が何をどのように歌うかが、おもしろいと思うから、だから歌が上手いって何を指すのだろうな、とも思う。
でもひとり異様に歌が上手い人がいて、その人が松下優也さんだった。この場合の「上手い」は音域が広い、ピッチが正確、声がのびやか、舞台でも聞き取りやすい発音、喉が広くて鳴りが良い、みたいなことを指して言っているんですけど、ものすごく上手かった。思わず唸ってしまったし、拍手をしようと思う前に手が動いてしまった。山本耕史さんも上手かった。何より安定感がすごかった。

お芝居パートも見ごたえがあって、楽しめた。今野浩喜さんもすごく良かった。今野浩喜さんて、表情を変えるまでもなく顔だけで「人情みのある良い人」にも見えるし「性格悪いヤな人」にも見えるのがすごく良いな、と思ってたけど、舞台で観たら「あぁ声も良いわ」と思った。特徴あるから他に埋もれないし、特徴あるのに他を邪魔しない。森永悠希さんの声も、純真さとかあたたかみがあってすごく良かった。映画もドラマもずっと出てるしキャリア長いよなぁ~と思って調べたらまだ27歳なんだそうです。わっけぇな。

私の林遣都さんの推し方がユルすぎて「推してる」と言えそうにないが、まぁそんなことはどうでもいいし、舞台を観るのはすごく好きなので次回作も観たい。

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