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グーチョキパン店

2023年9月5日 (火) 20:13

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金曜の夜、『アステロイド・シティ』を観た。画面上に映るものを完璧にレイアウトしたい、というウェス・アンダーソンの熱意(一度“病気”と書いたがやめた、病的であることに違いはないかもしれないけど、でもなんか“病気”と言いたくはないので……最近言葉の選び方めっちゃ気になるし気をつけたいと思っている)がミッチミチになっていて、目が喜ばしかった。気を抜いているカットがひとつもない。
セットも小物も全部作ってると思うけど、目がずっと幸せだった。今どきCGで何でも作れるんだろうが、違いってちゃんと分かるものなんだな。ウェス・アンダーソンは1秒映るかどうか、ぐらいの新聞記事とかも全部読めるように作る人として有名なんだけど、今作は子どもたちが受賞式でもらうリボンとかバッジとかのデザインがものすごく良くてウットリした。レプリカを売ってくれないだろうか。
前作ほどは言葉数が多くない印象だったけど、実際はどうなんだろうな……正直画面を観るだけで楽しいので、出ている人がなんの話をしているか、とかを見逃してしまいがち。字幕を読むのが追い付かないというか、字幕を読むことの優先度がめちゃくちゃ下がる。他に観たいものが多すぎるの。英語が出来たらよかったな、と思う時はウェス・アンダーソンの映画を観ている時。
毎作、どうやったらこんなに違う色を出せるんだろう。単に「カラフル」と言ってしまうには申し訳ないぐらいに配色が美しい。どのくらいの段階で色を決めるんだろう。そういう話してるインタビューないのかな。ありそう。もしかして、カラーパレットみたいなものを先に作ったりすることある?映像作る人ってカラーパレット作るの??
ウェス・アンダーソン作品初参加(のはず、他なんか出てた?)のトム・ハンクス、孫娘3人にやいやい言われるおじいちゃんの役で、すごくハマり役だったと思う。トム・ハンクスの憎めなさ、というかかわいげ、そうかわいげ、あのかわいげってもう天性のものなんだろうな。だってもう70歳近いし、キャリアも長いし、めっちゃ大御所俳優でしょう、生きてるだけで威圧感でるはずやのにさ、ぜんぜんかわいいもんね。良いなぁ。元気で長生きしてほしい。

土曜の朝、『バービー』を観た。グレタ・ガーウィグとノア・バームバックが共同脚本、グレタ・ガーウィグが監督、さらにマーゴット・ロビーが主演、ときて、こんなもんは最高じゃないわけないんだが、予想を遥かに上回る最高だった。観終わった後の、地に足のついた感情を一生忘れないと思う。この複雑で過酷なリアルワールドを、これからも平たい足で生きていく私の人生が、誰にどう見えようと美しいと思えた。帰り道のバス停に並びながら、もう一回泣いた。
マーゴット・ロビーってどうかしたら現世を生きる全ての女から(大体は嫉妬ゆえに)誤解され、不当に嫌われるかもしれない姿形をしていると思うけど、なぜこんなにも愛おしく、応援したい気持ちになるんだろうな。バービー人形を演じると言われて何の文句も思い浮かばないくらいに完璧な容姿をしているのに、ずっと「人間らしさ」を失わずに見せてくれるのが素敵だった。何回もらい泣きしたか分からんわ……あと数年ぶりに映画パンフレットを買ったんですけど、読んでみたらそもそも上映権を持ってたのはマーゴット・ロビー本人だったそうで、そういうところも好き…!!!
ライアン・ゴズリングは「あいつ以外に誰がケン役出来たんや、おるんやったら言うてみろやタココラ」と何かの胸ぐらを掴みたくなるほど素晴らしかった。まじでライアン・ゴズリング以外に誰が出来んねん、あんなムズい役。ライアン・ゴズリングについて、私は「めっちゃイケメンやしムキムキでかっこいいけど、ちょっと、ちょっとだけ、ダサいやん、そこが良いよな」と友人に話して、普通に怒られたことがあるんですが、でも、まじでそこが良さじゃないですか……?あとその良さが、ケンに大いに活かされてたやん……っつーか「ダサい」っていう言葉のチョイスが多分良くないんやろうな。私は「ダサい」を結構褒め言葉として使っていて、音楽とか、エンタメ全般を褒めるときにも使うけど、ニュアンスがうまく伝わらない。反省しています。でも合う言葉が無いねんもん、言葉側が悪くない??私が悪いんか?
ライアン・ゴズリングがメソメソ泣いたり、喧嘩してキャーキャー言ったりするのって『ナイスガイズ!』とか『ラブ・アゲイン』でも観られるけど、そういうシーンがちゃんとコミカルに機能してるのがすごいと思う。ひとりの人間として、多面的に見えるところが。雑に「女々しいな!」とか言って終わりに出来ない感じが。やーーー素晴らしかったライアン・ゴズリング。バービーに「ガールズナイトばっかりして……」みたいなこと言うシーン、かわいくて胸が痛かった。ああいうシーンと真正面から対峙できる役者って、そう多くはないだろうと思う。すごかった、ライアン・ゴズリング、たくさん褒められて、たくさん嬉しい仕事が舞い込んで欲しい。
『アステロイド・シティ』と同じく、画面に映る物を結構ちゃんと作ってるぽくて、それも良かった。ヘアブラシとか牛乳のパックとか、そうそうサイズ感な、めっちゃ分かる、ちょっとでかいねん、ということを、シルバニアやリカちゃんで熱心に遊んだ子ども時代を、たくさん思い出した。良かれと思ってヘアドライヤーをあてた“変てこ”ジェニーちゃんのことも。
それから、こんな最高の映画を観るときに例のミームが頭をよぎったりしないほうがよかった、圧倒的によかったのに、とは思う、残念に思うよ。あと「テロ」とか「地雷」とか、私たまに使ってしまってるな、とも思った。まぁ……ちょっと違う話かもしれんけど、でも近い話ではあると思う。まぁ他人は変えられないけど自分は変えられるので、私は私を変えようと思う。言葉にしたり、デザインしたりするとき、ちゃんと選ぶ必要がある。間違えない、は残念ながら無理だと思うけど「自分は間違える、間違えることがある」ということを、知っていようと思う。
あと単純に2本立ては好きです、トム・クルーズも言ってたけど。『バービー』を何かと2本立てで上映するなら、オリヴィア・ワイルド監督作の『ドントウォーリーダーリン』が良いと思う。目黒シネマさんがやってくれそう。

日曜、今日は家から出ないと決めて、一歩も出なかった。Qoo10のメガ割で頼んだものが届き始めている。速い。ありがとうございます。
『どうする家康』が7週分くらい溜まっているので、続けて観た。溜めるのは3週分くらいまでにしてくれると楽なんですけど……と思いつつ、続けて観たほうが話も頭に入ってきやすいのでメリットもある。日本史に全然取り組まないまま学生生活を終えた私でも知っている本能寺の変を経て、清須会議も経た。いや、日本史だけじゃなくて全教科です、全教科に全然取り組みませんでした。よく高校卒業できたな。
1年かけて放送する大河ドラマも、もう9月なので後半に入っていると思うけど、松本潤の「人間としてかわいいところ」をずっと、ちゃんと見せる作品になっている。松本潤さんて世間一般ではどういうイメージなのか分からんけど、でも嵐で一番かわいい人だと私は思う。素直で、天邪鬼で、かっこよくて、ダサくて、負けず嫌いで、甘えんぼうで、すごくかわいい人だと思う。私は自分にかわいげがないせいで、人のかわいげにとても敏感です。
タイトルロゴのデザインが良いことと、脚本が古沢良太さんであることがきっかけで観ることにしたけど、1年完走できそうでちょっと嬉しい。大河ドラマ1年続けてちゃんと観るの、新選組以来だわ、約10年ぶり。

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