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本と机

2021年7月29日 (木) 23:11

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韓国語を勉強するためのアプリをやっている。ゲーム的に楽しく進めるタイプのアプリなので、これをやっても別に伸びないことは分かっているけど、まぁそんなことは良いじゃないか、今は。

英語をめちゃくちゃ真面目にやったのはもう10年以上前のことだが、当時学んだことのひとつとして「楽しく学んでいるときに学べているのは楽しさだけ」というものがある。
ビジネスで英語を使うおじさんや海外旅行を楽しむお姉さんたちとの英会話クラスはゲームや音楽を交えながらの授業で、和気あいあいとして楽しかったが、日常の、つまり日本語の、日本語話者の延長線上に英語があるだけなので「楽しい」より向こうへ行くことはなかった。
そのあとTOEFLを受けるためのガチンコクラス一本に絞り、電話帳みたいな分厚さのテキストを持ち歩き、目を爛爛とさせた同い年のガチンコ女子たち4人でバチバチにやり合っている方が圧倒的に伸びた。人と一緒に何かを学ぶときは、ある程度モチベーションが揃った人たちと、少人数でやるのが一番良いと思う。というか私はそれが向いている、というだけのことかもしれんが。

とはいえ、楽しさを学ぶことに意味がないとは思わないし、むしろこれから韓国に留学するわけでも、現地で職を得るわけでも、翻訳家を目指すわけでもないのだから、楽しさだけ学ぶことに注力したって良いだろうな、とも思う。一旦キリの良いところまでやってみようよ、ぜひそうしよう。

アプリなので「友だち」が出来る。英語を勉強している韓国人と、エジプト人が申請を送ってくれたので、友だちになった。友だちとは言えコメントを送ることは出来ない仕様で、なんらかの目標値に達すると「○○さんが○○を達成したよ!ハイタッチしましょう」みたいな通知が来て、それをタップするくらいしかできない。タップされると「○○さんが拍手してくれています、おめでとう!」みたいな通知がくるが、返信はできない。リアクションの出来ない私は、心の中で「ありがとう英語を勉強しているエジプト人の友だち」と唱える。性別も年齢も分からない、エジプト人の友だち、拍手を送ってくれてありがとう。そっち今何時ですか。

アプリではユーザーがオンラインになると小さい緑色のマークがつくようになっている。夜、ソファーに寝っ転がってアプリを起動すると、英語を勉強している韓国人もオンラインになっている。そうか、日本と韓国は時差がないのか。この人も、一日の仕事や学校や家事などを終えて一息つき「毎日ログインしてね!」というアプリの通知をタップしているのだ、たぶん。今日もおつかれさま、韓国人の友だち、ゆっくり休んでね。

ベッドに入りアプリを終了したあと、性別も年齢も、どこに住んでいるかも分からない、私とは共通言語を持たない「友だち」を思い、ぼーっとする。これぐらいの感じも良いけどな、これぐらいの感じのを「友だち」と呼ぶのも、わりと、良いけどな。
この小さい緑色のマークの向こうに、「ハイタッチしてくれています!」の通知の向こうに、誰か人が居る、というだけのことを、「友だち」と呼ぶのも、良いんじゃないだろうか。少なくとも私は良いよ。元気でいてね、コロナに気を付けてね、友だち。

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