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5枚刃とモチモチ

2024年1月10日 (水) 21:04

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年末年始、しばらく実家に泊まっていたのだけど、ある晩、弟が肌悩みについて相談してきて、なんというかちょっと、いや結構、びっくりした。弟は(極端ではないものの)どちらかというと「男なんか石鹸いっこあれば全身事足りるやろ」系の人間だと思っていたので……いや、もっと正直に言うと「男が顔にチマチマなんか塗るのキショい」系のクソ偏見野郎だと思っていたので……ごめんよ、むしろお姉ちゃんがクソ偏見野郎やったわ。

ざっくり言うと「髭が濃いので毎度しっかりめに剃る必要があるが、そうすると赤くなったりして肌荒れする、保護が必要と思い化粧水をつけているが、これが超しみて痛い」というようなことらしかった。そのほか、クレンジングやクリームも試行錯誤している、とのこと。使っている化粧水を確認するとアルコールフリーのもので、試行錯誤のあとが見受けられる。
髭脱毛はどうなんやろ、という話も出たものの「髭自体はいずれ伸ばす日が来るかもしれないので残してはおきたい」ということらしい。なるほど。確かに彼は髭が似合う顔立ちではある。

話を聞いていると、私と弟はわりと肌質が似ている感じがする。私も部分的には脂性肌っぽいのにほっぺたはカサカサするし、ニキビができやすく、赤みが気になるタイプ。この肌質な上に「ほぼ毎日5枚刃を顔に押し当てる必要がある」と想像すると、なるほどかなりキツイ。そら化粧水もしみるわ。
ちなみに姉は母に似て肌悩みが少なく、いわゆる「ハトムギ化粧水とニベアの青缶で年中イケる」タイプのラッキーさんなので、この話の最中は終始ポカンとしていた。ラッキーさんめ。

化粧水の前に保湿ケア系の何かを入れておいたほうがいいのでは、ということになり、私が持っていたトリデンのセラムを導入美容液として試したところ、かなり良さそうで安心した。「すごい、これはぜんぜん痛くない!しかもなんか、もちもちする!触ってみて!」とのこと。よしよし、じゃあこれ塗ってから化粧水の順番にしよう。乳液も塗ったほうがいいね。ベタつかへん程度の軽いやつ買って、うすく塗ればいいから。

ふと、こういうのを、人に聞ける子で良かったな、と思った。「男やから」とか「男のくせに」とかしょうもないことをグダグダ言わずに、ただ「赤くなって荒れるのが嫌やねん」とか「しみて痛いのが嫌やねん」と人に言えて「どうしたらいい?なんか方法ある?」と聞けるのは、すごく良いことと思う。だって、時代や環境が違えば「女々しい」とか言われたりするであろうことが、想像できるでしょう。でも肌荒れの不快感に性別も年齢も関係ないし「化粧水がしみて痛いなぁ」と思うことに女々しいもクソもない、痛いもんは痛い。ただ心地よく暮らすために、自分で自分を気遣えるかどうか、という話だと思う。自分で自分をケアできるかどうか、蔑ろにせずにいられるかどうか、というのは人間としてすごく大事なことのように思う。
肌荒れを無視せず、「もうおっさんやからええねん」などとなんの解決にもなってない意味不明なことを言わず、もちもちの肌で生きろ。

とはいえ私も美容液をいくつか使い分けたり、いろいろ試して自分に必要なケアや肌に合う成分が分かるようになってきたのはまじでここ3~4年ぐらいのことな気がする。遅い。
……いや、言い換える、まじ伸びしろしかない。

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