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And the banker never wears a mac

2024年1月26日 (金) 21:02

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週末から劇的に体調が悪く、月曜はお休みをもらって1日布団で過ごした。原因がはっきりしない微熱、久しぶりで怖かった。大学の教室みたいなところで「マティスのどこが好きか」について講演のようなものをさせられる悪夢を見て、ストレスがすごかった。いやマティスは好きやけど、なんで私が解説せなあかんねん。ぜったい私ちゃうやろ。私の「マティスの好きさ」は、解説するタイプのものではないと感じている。が、夢のなかではそういう私の感情についてはまったく無視されていて「好きなんやろ?ほなしゃべれるやろ?しゃべれや、好きって証明せえや」みたいな圧力で押し通され、しんどい思いをした。感情について証明を求められることほど、しんどいことはない。もっとええ夢見せてくれや、ジンくんといっしょに餃子をつつむ夢とかを見せてくれや。
目が覚めてからも「ぜったい人に感情を証明しろと詰め寄らないようにしよう」と心に誓った。感情をどのように取り扱うかについて、引き続き考えていきたい。自分の感情はもちろん、人の感情も同じように。

友人とZoomで話していたら、小1時間で用件は済んで、そのあと日付が変わるまで「ゲームオブスローンズ」の話をした。私がシーズン8を観終わったのは2020年のことなので、正直ほとんど詳細を覚えていないが、オブラディズムラジオでゲームオブスローンズ回をやったことや、そのあとヨウリーとtanayouradioを始めたことなど、思い出深い。もう1回観たいね、と言いつつ、全72話をもう一回観るの無理すぎるな……という気持ちもある。友人は「そのラジオ聞きたかったわ、たぶん私一人でめちゃくちゃコメントしたと思う」と言ってくれたので、ハウスオブザドラゴンを観るよう勧めておいた。シーズン2そろそろじゃない?と思って調べたら、2024年初夏、とのこと。そろそろやん……!!!

ピンクのスウェットがほしい、と思いユニクロへ行った。一応試着してみたら、全然似合わない。色がどうとか以前に、形が似合ってない。袖か?袖かも。生地感のせいか?いや、サイズ感かもしれん、服はサイズ感がすべて、と思って1つ小さいサイズも試したけど、やっぱり似合わない。似合わない服を買ってもどうせ着ないので、結局何も買わなかった。家に帰り、もともと持っているラグランスリーブのスウェットを着てみると、これはそんなに悪くない、はず。やっぱ袖か……?と思うものの、確証はない。
20代半ばくらいまでは、着られるサイズで・気に入っていて・買える値段の服ならなんでもいい、と思っていたし、実際そういう服の買い方をしていた。最近は襟の形ひとつで「あれ、なんか似合わんな、なんでや、この襟がかわいいのに、でも似合ってないな」みたいなことがかなり増え、しかも「いやでも、かわいいし、安いもん、買う買う」みたいなことが、ほとんどなくなってきた。
というか人と一緒に服を買う、という機会がほとんどなく、母か姉くらいしか一緒に買い物に行かないので「似合うかどうか」の判定が私ひとりに委ねられており、これはこれで不安がある。でも友だちと服買いに行くの嫌いやねんよな……いや、友だちが買う服を一緒に選びに出かけて「こっちのほうが似合うんちゃう?着てみて!」とか言うのは大好きやし行きたいから誘ってほしいねんけど、逆がほんまに苦手やわ。あっ、あぶない、この穴を掘ると埋めておいたコンプレックスをつついて、噴き出したドロドロにやられて寝込むぞ。あぶね。

秋ごろにジャケットを描いたマーくんの楽曲、「愛模様」がリリースされた。マーくんのサイトは私が作り、長年管理もしているけど、こういう「楽曲のジャケットデザインをする」仕事を依頼されるとは思っていなかったので、結構びっくりした。ちょっと説明が難しいけど「え、マーくん私のことそういう目で見てたんや」みたいな気持ち。……なんか語弊があるな。「Webデザインをやるのとジャケットデザインをやるのとでは、使う筋肉がまったく違う」と言うと伝わりますか。だから「あ、そっちの筋肉のこと知ってたんや……私もちょっと忘れてたわ、動くかな……」みたいな感じ。
ラフが通ってから、色案でちょっと手こずったけど、出来上がったものは気に入っています。色案はマーくんに見せてないやつも含めたら100案くらい作った。
自分で描くものに100案も色パターンを試すことは今までなかった。というか、だいたいのものは描くときに色が決まってる。なんなら色から先に決まる。だから「もうちょっと青みが強い赤にしよう」ぐらいの微調整で済む。気分によって明度と彩度は触るけど、色相は全くと言っていいほど触らない。触りようがない、って感じ。決まってるから。でも今回みたいにクライアントがいて、しかも音楽がある場合は、共感覚の探り合い、みたいなことが起きる。良い勉強になりました。マーくんは「青っぽい感じ」と依頼をくれて、ただ私は初めて聞いたとき「音がベージュ寄りのピンクや」と思ったので、その間を埋める、みたいな作業をしたように思う。初案はもっと彩度が高くて、バキッとした色合いでした。
作ってみてそれを見ながら曲を聴いて「これは強すぎる、曲より強くなってしまってる」とか「これは繊細すぎる、頼りなさが出てしまってる、そういう曲じゃない」とかをひとりで延々やった。こういうのって100回ぐらいやると「いやもう何が良くないか自分では分からんわ」みたいなことになりがちやと思うけど、不思議とそれはなかった。
そして今回「っぽく作らねば」みたいな気持ちにならず、ぜんぜん力まずに作れたのがよかったな、と思う。マーくんは私が何ができるかを知ってくれている、知った上で依頼してくれてる、というある種の信頼があったおかげかもしれん。私自身も、自分がやってきたことと、自分ができることに、ようやく折り合いがついたように思う。もう何者にもなれないし、ならなくていいし、そもそもなろうともしなくていいな、と思う。
自分ができないことに向き合ったり、それと戦ったりする時間、必要やと思うし、要るときもあるけど、一方で、自分ができることを頑張って、楽しく取り組んだほうが良くないすか?と思う気持ちが強くなってきた。これって怠惰かな……
でも、35年も生きてきたら自分にはできないことがあるって自分で知ってることとか、それができる人への敬意とかのほうが「克服する!!!!」みたいなのより大事な気がする。いや35歳で「克服する!!!!」って血眼で思えてることは、たぶん克服できるから、引き続き頑張ったらいいと思うねんけど、そうじゃなくて、「私はこれができない……役立たずで惨め……」ってベソベソしてる時間のほうはさ、もう要らんのちゃうかな。ここ、もう畳んどいていい?まだ早い?あと10年ぐらいは苦しむべきなんか?こういうの誰に聞いたらええんや。ニシーさんか?

仕事で提出したデザイン案について「エンドクライアントの意向としては〇〇〇なのでこの部分は修正してほしいけど、でもこの案もかわいいので2案にして送ることにしましょう」と言われて、率直に嬉しかった。私がデザインについて思う「かわいさ」というのは複数の意味があり、今回のは言い換えれば「親しみやすさ」や「愛嬌」や「取っ掛かりやすさ」のようなものであり、要はフックなのだが、うまく伝わらない場合が多い。伝わらないこと自体は私の力量不足だし、そもそも人によって好みが違うので、ぜんぜん気にしていない。でも今回は「そう!このデザイン案のかわいいポイントはまさにそこ!」という部分について「かわいい」と言ってもらえたのが嬉しかった。しかもエンドクライアントの意向だけを私に投げてこないで、意向は教えてくれた上で「でもこっちもかわいいからエンドクライアントに見せたい」と言ってくれたのが嬉しい。私の仕事はこういう地味で些細な嬉しさを拾い集めながら続いていくが、そこが気に入ってもいる。
ただし、エンドクライアントがそのかわいいポイントを正確に理解してくれるかどうか、さらに「ほんまやかわいい、うちの意向とは違うけど、こっちのほうがいいね」と言ってくれるかどうかは全くの未知数。私の仕事は「さてどうなる!!?次週へつづく~!」みたいなのが日々続いていく。私は私の仕事が気に入っています。

今週は以上です。みなさんよい週末を。

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