TANAKA NOZOMI

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ジャムポエム

2021年4月13日 (火) 22:05

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果物を煮るのが好きだ。煮ているときのにおいが良い。甘く、みずみずしく、濃すぎず、おいしいにおい。大根や豚バラ肉を煮ているときももちろん良いにおいがするけど、果物を煮ているにおいは特別だと思う。
果物の中でもいちごは煮ているときのにおいが最高。始めは酸味の強い、やや尖ったにおいがして、煮詰めるうちに酸味は和らいで、とろりと甘いにおいに変わっていく。赤ワインを入れた後のメロメロしたにおい、レモンを入れた後のキリリとしたにおいも最高。赤ワインを入れるのは私の好みで、お玉に2杯ぐらいをトポポと入れる。

いちごは色の変化もいい。いちど果肉から色が抜け、それがまたシロップ側から戻る。透き通った実の色と、ルビー色に光るシロップの色をシリコンスプーンでぐるぐるかき混ぜる。ふはー良いにおい。

どれぐらい煮るかは難しい問題だけど、私は果肉が煮崩れない程度で火を止めるのが好み。ペクチンもゼラチンも入れたくないのでかなりさらさらした仕上りになるけど、それで良い。果肉部分はトーストやヨーグルトにのせて、シロップ部分は炭酸や牛乳で割って飲むので、全然固まってなくて大丈夫。ただこれを「ジャム」と呼んでいいかどうかは謎。

こないだ母に会ったら「文旦をいっぱいもらったから煮てきた、これでパウンドケーキ焼いてきて、ほんで食べさせて」とのこと。似た親子だな、と思った。ジャムを入れるパウンドケーキは焼いたことないな~レシピ調べよ。私も文旦は煮たことがないがママレードはめんどくさい、という印象。しかし、母曰く「白いとこをそないに取らんでもええみたい、文旦はあんまり苦くないみたいよ」とのこと。じゃあまぁめんどくさくないか…

煮てみたい果物はまだまだある。フランスに行ったとき、リヨンの市場には何か分からない果物がたくさんあったし、キイチくんがインスタグラムにアップしていた台湾の市場は、日本では煮られるような値段じゃない果物が安く売っているようだった。何より、日本の果物は「生食史上主義」的なところがあって、そういう果物は「煮てももちろんおいしい」が、「煮たほうがおいしい」ところまではいけない、というのが私の雑感です。

いちごを例にしても、どんどん品種改良が進んでて新しい品種が出てくるし、そのどれもがすばらしい鮮度でスーパーに並んでるし、そのどれもが水分を多く含んでぴっちりとし、甘く、さわやかな酸味で、果肉も柔らかい。こんなもん煮るまでもなくおいしい。

ジャムに向いているのは、本来「そのまま食べてもうまくないが、砂糖で煮れば食べられる」という果物なのだそうだ。酸味を熱でやわらげ、苦味・渋み・雑味、などは砂糖で煮ることでコクやうま味に変わり、砂糖の保水力のおかげで日持ちする。
なのに、生で食べられる果物を買ってきて、生で食べられるよう冷蔵庫に保存し、まだ生で食べられるのにわざわざ加熱する、というのはなかなか、どうしたことだ、という気持ちになる。何をやっているんだ。いろんな人の努力のおかげで、生食が可能になっているのに、私は何をやっているんだ。

とは言え「生で食べられるものを煮てはならない」ということはないのに、なぜ「なんかもったいないな」と思ってしまうのか。
でも私は、例えば焼き鳥屋さんに行って、お店の人が「今朝ひいた鶏なので生でいけますよ!」と言ってきたら、ありがたく刺身で行く派だし、「生食用」と書いてある牡蠣を加熱して食べるときは、なるべく火を入れ過ぎないように、という気持ちになる。そのぐらいには生食ラバーだと思う。だから、基本的には「生食でどうぞ」の食べものは、ありがたく生でいただきます!と思っている。
でもジャムとなると話は別、「これは生で食べる用に作られた果物なのにな…」と何となく後ろめたく思いつつも、でもやっぱりジャムのおいしさは生食とはまた別のところにあるし…とはいえもっと加熱に向いた品種があるはずやのに…とも思っている。

煮てみたいのは野生種のいちごと蟠桃と呼ばれる薄い桃。野生種のいちごはかなり種類があるけど栽培している農家がほぼいないっぽいし、いても市場には出てこないっぽい。少なくともスーパーでは売られていない。叔父に頼んで栽培してもらおう、と思いつつ、苗か種を手に入れるに至らず、夢のまま終わっている。
蟠桃は東北の方だと栽培しているところがあるようだけど、これまた栽培数が少ないらしく大変貴重な桃、という感じっぽい。そんな大切な桃を煮てしまっていいのだろうか…でも桃はさすがに、叔父に頼んでも栽培は難しそう。

いつか、銅鍋とキッチンスケール、無印のシリコンスプーンを持って海外旅行にいってみたい。朝、早起きして市場へ出かけていき、見たことのない果物を買う。エアビーで借りた家に戻り、果物を味見し、糖度を決めて煮る。滞在中に食べきれない分はお土産として持って帰る。1週間の滞在なら2~3種類作れそう。グラニュー糖とレモン果汁は全世界どこでも手に入るのだろうか。

ジャムを詰める用の瓶は東急ハンズで買っていたのだが、去年東急ハンズがつぶれてしまい、いよいよ家の在庫が尽きてしまった。夫(友人)に「瓶買ってくれ、いちごジャム送るから、お金は要らない、でも瓶が欲しい!」とねだったところ、Amazonギフト券を送ってくれた。これは結局お金をもらっているのと同じでは…と思ったが、ありがたくいただき、ありがたく瓶を買わせてもらうことにする。ありがとう夫~!

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