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風待ち

2022年3月16日 (水) 22:00

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姉(実姉)がBTSのソウルコン3日目のライブ配信を自宅で見たと連絡をくれたので、感想を言い合おうと思って電話をしたら、3時間くらい私が一方的にしゃべり続けてしまい、最終的に「もうやめさしてもらうわ」と正統派漫才師のようなことを言われて笑ってしまった。ごめんて。わはは。

姉とは一緒にいる時間が単純に長かったから、必然的に「共通言語」みたいなものが多いと思う。口からそのまましゃべっても許される感じがある。感じがあるだけで別に許されてはいないので「それはちゃうやろ」などとバッサリ返されることもある。
姉は私をあまり妹として扱わないし、歳もひとつしか違わないので甘やかしたりもしない。面倒見がよく情に厚くて優しい人だが、基本的には誰に対しても「自分でできることは自分でやんなさいよ」という考え方をしていて、あまり手も口も出さない。
私は私で、姉を「同じ親から生まれてほぼ同じ環境で育ったほぼ同い年の人間」として見ているフシがあり、そういう意味では他に似た人が絶対にいないので、超貴重だと感じている。私は何か考えごとがあると「姉はどう思うかな」と思うし、選択の場に直面すると「姉はどうするかな」と思ったりもする。それに倣おうとは思っていない、ただ、同じ親から生まれほぼ同じ環境で育った唯一の人がどう考え、何を選択するかはすごく興味深いことだと思う。しかもそれを本人に尋ね、答えを得ることができるなんて、私はとても幸運だと思う。こういう言い方が合っているか分からないし誤解を生みそうではあるけど、私は姉のことを「サンプル」だと思っている。同様に彼女も私を「サンプル」だと思っているはずだ、「庇護すべき妹」ではなく。

去年の夏ごろ、久しぶりに会った姉がBTSに全くハマっていないことに、私はバチギレていた。
だってそもそも音楽のジャンルとして「歌って踊る人たち」が好きなのは私じゃなくて姉のほうだし、当時のBTSは「Butter」がリリースされてFESTAの時期(デビューの周年パーティーみたいなやつ)で、日本の音楽番組にもたくさん出演してくれた後だったし、だからどこかで適切に出会いさえすればとっくにハマってるだろうと思っていたからだ。しかもBTSは「実写版少年ジャンプ」みたいじゃないか。姉が好きじゃないわけない。ま、別にバチギレんでもええねんけどな。

姉が「職場の子は好きらしいで、ロッカーにほら、赤いハートの顔のキャラクターおるやん、あれのステッカー貼ってたわ、あれBTSのなんかなんやろ?Butterも曲は知ってるで、一応な」などとのんきに言うので私はますますバチギレ、「なんで好きちゃうねんおかしいやろ、絶対おかしいなにやってんねん、あかん、とりあえず履修開始しよ、観れば分かる」「お姉ちゃん少年ジャンプ大好きやん、大好きやろ?BTSは少年ジャンプやで、友情・努力・勝利やで、好きじゃないわけないやん」「音楽もすごい良いで、私が楽曲が良いと思ってないアイドルにハマるわけないやん知ってるやろ」と早口で捲し立て、夜通しMVやタリョラ(BTSのバラエティー番組)を見せた。

「アイドル」というものの構造の素晴らしさは、好きになる過程の入り口がめちゃくちゃ多いことだと思う。楽曲やダンス、顔・容姿はもちろんのことだが、例えばキムナムジュンの国連スピーチをニュース番組で見てARMYになる人がいても何ら不思議ではない。姉はタリョラバンタンのエピソード41で伝言ゲームに取り組むBTSを見て大いに笑い、そこから無事に沼入りした。
次に会ったときは既に「タリョラ全部観終わった(※155話まで出ている)」と言い、配信ライブも観て、有料の映像コンテンツもすべて見終えているらしかったので、私はひと仕事終えたような気持ちになった。ふぅ。良い沼なので、可能性がある人は全員落としていきたい。良い沼なので。

姉とは結局21時くらいまで「18~24歳くらいまでの”あの感じ”が心底嫌いやった、特に男の子の」という話をして笑った。「今も嫌いやん」で納得した。さらに「早割いちおう申し込んどくか」「当たってから考えよ」「外したことないやん」「いや、一昨年初めて外した」などの会話を経て風呂に入り、皿を洗って寝た。

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